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サーモン寿司

鮭/サケ/シャケ/さけ/Salmon/Salmon trout

白身・サーモン

サーモン寿司

サケ目サケ科サケ亜科

一般的にサケ属の7種にタイセイヨウサケを加えたものがサーモンと呼ばれ、海から川に母川回帰する海降型と淡水型がいる。日本での生食の歴史は浅く、寿司ネタや刺身のほとんどはノルウェーやチリ産の養殖物である。

かつて日本ではサケといえばシロザケだけだったが、ノルウェーからの輸入サーモンの流入をきっかけにサーモンという名前が普及し、現在はサケ科のサケ属とタイセイヨウサケ属に属する魚をサーモン、またはサケと呼ぶことが多い。

一般的にサーモンとマスを含むサケ科の魚は海に降って川に回帰する習性が知られるが、淡水生活だけを送る種も存在する。
また、赤に近い身の色から赤身と思われがちだが、これは餌のエビやカニなどの甲殻類の殻に含まれた色素によるものであり、分類上は白身になる。

サーモン寿司が登場したのは意外と遅く1980年頃。サーモン寿司を広めたのはノルウェーといわれ、すでにサーモンの養殖と生食が普及していたノルウェーが、シロザケには寄生虫がいることからサケの生食を行っていなかった日本に対して、サーモンを寿司ネタとして売り込み、回転寿司でも取り入れられたのが、広がったきっかけと言われる。

現在、寿司ネタや刺身などの生食として出回っているものの多くは、ノルウェーやチリで養殖されたサーモン・トラウト(人工ニジマス)、アトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)などである。これらは一度冷凍されたり、寄生虫ができない環境で養殖されているため、生で食べることができる。

サーモンは寿司ネタの世界チャンピオン

サーモン寿司は日本でも子どもから大人まで人気の寿司ネタだが、特に海外ではマグロよりも圧倒的にサーモンの人気が高く、寿司ネタの王様といえばサーモンという不動の地位を獲得している。

サーモン寿司はほどよい柔らかさと脂と甘味があり、酢飯との一体感から生で握っても美味しいが、炙ったり、スライスオニオン、マヨネーズ、アボカド、チーズなどと組み合わせたりしても美味しい。

世界中には工夫を凝らしたサーモンロールなど、様々な創作サーモン寿司があるが、こうしたバリエーションの多さもまたグローバルな寿司ネタならではの良さだろう。
世界スタンダードのサーモン巻き寿司 世界スタンダードのサーモン巻き寿司

サーモンとサケ、マスの曖昧な関係

サケ科の魚は一生淡水生活するトラウト(日本語訳:マス)と海に降るサーモン(日本語訳:サケ)に分類することができますが、実際に呼ばれている名前はこの分類と一致しない例もあります。さらに、日本ではかつてはシロザケのみがサケで、ベニザケやギンザケもベニマス、ギンマスと呼んでいました。また、キングサーモンは今でもマスノスケと呼ばれるなど、サケとサーモン、マスの関係はかなり曖昧です。

そもそもサーモンという名前は「跳躍」を語源としたサケ科の学名Salmonidaemに由来し、学術的なサケはサケ属のシロサケ、ベニザケ、ギンザケ、カラフトマス(ピンクサーモン)、サクラマス、ニジマス、マスノスケ(キングサーモン)の7種を指しますが、これ以外にタイセイヨウサケ属のタイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)がいたりします。
また、サケ属の中のニジマスはトラウトだったり、そのニジマスもまた淡水だけにすむ小型のレインボー・トラウトと人工で海面養殖された大型のサーモン・トラウト(直訳するとサケ・マス!)の2バージョンがあったりと、なかなかややこししくなってます。

学術的なネーミングとブランド化目的のネーミングが混ざってややこしくなった問題に、日本特有の問題まで重なってますので、この三者の曖昧な関係まだまだ続きそうですね。

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