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寿司の王様!マグロの種類や部位、競りなどマグロを徹底解説

まぐろ解体

寿司の中でも王道と言われるネタが「マグロ」ですよね。

真紅色に冴えわたる赤身から程よく脂がのった中トロ、ロの中でとろける柔らかな大トロなど、部位によって違った味わいを楽しむことができます。

ひと口にマグロと言っても種類は様々。価格と味わいもマグロの種類によって大きく変わっていきます。

今回は寿司の王様「マグロ」の部位や種類について徹底解説していきます。
まずは意外と知らないマグロの種類を見ていきましょう!

寿司の王様「マグロ」の種類

黒鮪(クロマグロ)

マグロの中でも特に有名なのが「クロマグロ」。
最高級のマグロと言われ、別名「本マグロ」と呼ばれていますね。

日本沿岸を含む太平洋の熱帯・温帯海域に広く生息する大型魚です。
体長300cm、体重400kg以上に達することもあります。

クロマグロの旬は10月から2月。独特の風味や香りがあり、脂の乗った身はコクや渋みがあるのが特徴です。

南鮪(ミナミマグロ)

南半球だけで獲れる「ミナミマグロ」。
昔はインド洋で獲れていたことから「インドマグロ」とも呼ばれています。

ミナミマグロが南半球で獲れるのに対し、クロマグロは主に北半球で獲れます。
大きさは全長250cm、体重260kg程度で、マグロの種類の中では中型種に分類されます。

クロマグロとは旬が異なり、夏から秋にかけて旬をえます。
クロマグロと同様、大トロがとれ、非常な高値で取引されることもあります。

身肉の色はクロマグロに比べてピンクがかった色をしています。ピンク色の身はミナミマグロならではですね。

目撥鮪(メバチマグロ)

クロマグロの5倍から7倍の漁獲量を誇り、スーパーなどの刺身としてよく販売されているのが「メバチマグロ」。日本では最も慣れ親しまれているマグロの種類と言えます。

目がパッチリしていることからその名がついたと言われています。
クロマグロに比べてトロは少なく、中トロや赤身が多いです。

大きさは最大で全長250Cm、体重210kgにもなり、ミナミマグロと同じく中型種に分類されます。白い切り身が特徴的なマグロですね。

備長鮪(ビンチョウマグロ/ビンナガマグロ)

カツオと同じくらいの大きさをした小型のマグロ。
胸ビレが長く、正面から見た時に胸ビレが「鬢」のように見えるため、その名がつきました。

太平洋に生息し、ピンク色の身肉が特徴的。回転寿司では腹の柔らかい部分のビントロが人気を呼んでいますね。

黄肌鮪(キハダマグロ)

キハダマグロは、其の名の通り、尾びれや背びれが黄色いことが特徴です。
体長1~2m、体重40kg前後でやや小型の部類に属します。
脂身はほとんどなく、クセのない味でさっぱりとしており、世界で最も流通しているマグロです。
缶詰などの加工品に使われることも多く、価格も安い庶民的なマグロです。
日本では高知や九州などが産地と知られ、旬は6~11月ごろですが、海外からの輸入量が多く、年中流通量は安定しています。

余すことなく食べられる!マグロのさまざまな部位 

余すことなく食べられる!マグロのさまざまな部位 

マグロは部位によって味や脂の乗りが変わり、値段も大きく異なるため、部位によって調理の方法や楽しみ方が変わってきます。部位に合わせた食べた方と一緒に見ていきましょう!

大トロ

腹身の一番脂が多い部分で、マグロの中で最も値段が高い部位です。
寿司ネタの中でも特に高級なネタとして扱われていますね。

「トロ」という呼び名は、口に含むと「とろっとトロける」ことから命名されたというのが通説です。
艶のある霜降りは見た目にも美しく、とろりと溶ける甘みに魅了されるファンが多くいます。

中トロ

「中トロ」は腹身と背身にあり、赤身と脂がバランス良くのった部位です。
マグロの部位の中で大トロの次に値段が高いですが、大衆的な寿司屋でも楽しめるネタです。

脂の美味しさだけでなく、程よい赤身のコクと旨味を一緒に味わえるのが魅力。
マグロの中では最も人気がある部位です。

赤身

脂が少なく、トロと比べると身は固めですが、マグロらしい旨味とほど良い歯ごたえが楽しめる部位です。
脂が少ないため低カロリーかつ高タンパクで、健康食としても人気です。ほのかな酸味が赤身の特徴になっていますね。

赤身をそのまま握ることもあれば、醤油ダレに漬け込み「ヅケ」にして握ることもあります。ヅケマグロは江戸時代から親しまれている江戸前寿司の代表格です。

中落ち

「中落ち」は中骨の周りに残った身の部分。骨回りではありますが、ほどよく脂がのっており、筋肉の繊維が独特な食感として楽しめます。

店によっては中落を中骨ごと提供する場合もあります。その場合は、スプーンなどを使って身をこそぎ落とし、シャリの上に乗せて食べます。

かま

鰓(エラ)の横の胴体側にある部位です。かまの横はすぐ大トロの部位になっていて、かまにもしつかり脂がのっています。大トロにも負けない美味しさを楽しめる部位ですが、骨が多く身が少ないため、スーパーや魚屋で比較的安い値段で手に入ります。

握りの他にも炭火などで焼くことで、お肉のような見た目と脂の旨みを堪能できます。

マグロの生態

マグロの生態

超高速で泳ぐことができるマグロ

マグロは外洋を泳ぐことの多い回遊魚です。外洋は餌が少ないため、餌を捕らえるために高速で泳ぎます。
時速30~60kmくらいで普段は泳ぎますが、最高速度はなんと時速160kmにも!

マグロの体は頑丈で紡錘形。水の抵抗を少なくするために、鰭収納溝と呼ばれる装置の中に第一背ビレ、胸ビレ、腹ビレを収納することができ、強力な尾ビレがあります。

これは口を開けることによって、です。マグロは、泳ぐのを止めると窒息してしまうため、一す。

マグロは『止まると死ぬ』

マグロは口を開けっぱなしにして泳ぎますが、これはエラからはいる水から酸素を取り入れて呼吸するためです。そのため、もしマグロが泳ぐのをやめてしまった場合、酸素が体内に取り込まれず、窒息して死んでしまうのです。

マグロは泳ぎ続けないといけないため、夜も遊泳速度を落として泳ぎ続けます。人間から見るとかなり不思議な構造ですが、マグロは一生に泳ぎ続ける星の下に生まれてきた魚なのです。

 

ニュースでも報道!マグロの競りの最高額

ニュースでも報道!マグロの競りの最高額

種類にもよりますが、マグロは魚の中でも高い値段で取引されることの多い魚です。

実際にマグロがいくらで取引されているかご存知でしょうか。クロマグロが高級品であることは前述したとおりですが、過去には驚くべき価格で競り落とされたこともあります。

例えば、2013年に競りに出された222キロの青森県大間産クロマグロは、なんと1億5540万円(1キロ当たり70万円)という高値で競り落とされました。この取引価格は、記録がある1999年以降で最高額となりました。この高級クロマグロを競り落としたのは、テレピCMでもお馴染みのチェーン系寿司店「すしざんまい」です。

これほど高価な値が付くのは、もちろんマグロが良いということもあありますが、マグロの値段だけというよりは、ニュースで取り上げられることによってお店の宣伝になったり、お店のブランドイメージUPにつながるからというのも大きな要素です。

いずれにしても、美味しいマグロは多くの人を魅了しているといってよいでしょう。

まとめ

今回は寿司の王様と言われる「マグロ」の種類と部位、マグロの競りについて紹介していきました。
マグロと言えば赤身やトロを連想しがちですが、あまり知られていない部位を知ると新しい楽しみ方ができて面白いですよね。

寿司屋によっては特にマグロにこだわっている店もあります。
マグロが広い海を泳いでいる姿を想像しながら、部位ごとの旨さの違いを楽しんでみるのもいいかもしれませんね。