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知ってると得する!旬の寿司ネタ〜夏編(6月・7月・8月)

風鈴とすだれ

生の魚介類を扱う寿司は冬に旬なネタがあるイメージを持っている方も多いですよね。

でも、実は夏に旬を迎える魚は意外とたくさんいます。夏を旬とする魚は、冬の魚のような濃厚な脂がのった旨みと違った味わいを楽しめます。

今回は夏においしく食べられる寿司ネタを紹介しますので、夏のお寿司屋さんに訪れた時はぜひ食べてみてくださいね!

新子(シンコ)(7月)

シンコはコハダの幼魚のことです。成長するとコハダに名前が変わるのですが、ハマチなどの出世魚とは異なり、大きくなるほど価値が下がる、ちょっと変わった寿司ネタです。

食べられる時期が限られるため、価格は成長したコハダの60倍もすることもある高級な寿司ネタ。シンコが入荷する時期になると、江戸前寿司の寿司屋は、高騰する値段を意に介さず意地と誇りをかけてシンコを仕入れようと競いあいます。
利益度外視で初物を握ろうとするのは、江戸時代の粋を伝承する江戸前寿司の職人たちの心のあらわれですが、ある程度時期が過ぎると、多少価格は落ち着きます。

シンコは小さいため、1貫に2匹以上使って握られます。さばくのが難しく、塩加減や酢の漬け込み具合など、職人の腕が試される一品です。

新子寿司

ウニ(6月~8月)

鮮やかなオレンジ色で濃厚で独特な味わいのウニは、多くは軍艦巻きに仕立てられて出されます。ウニは種類によって旬が異なるため年間通して食べられますが、最も出回っている「ムラサキウニ」と「エゾバフンウニ」は夏が旬です。

エゾバフンウニは北海道の日本海側で獲れ、やや赤みがかった色鮮やかな見た目と濃厚な甘未に特徴があります。一方、ムラサキウニは、淡い黄色で、エゾバフンウニよりさっぱりした味わいが人気です。

うに軍艦

イワシ(6月~11月)

光物の代表格ともいえるイワシも夏が旬。夏に脂がのったイワシを食べると口の中でとろりと溶けていくのが感じられます。脂がのっているとはいえ、旬のイワシは風味豊かで生臭さがなく、魚の甘味を感じられるのも特徴です。

イワシにはいくつか種類がありますが、寿司ネタとして多く使われるのはマイワシです。夏の暑い時期に生姜と一緒にさっぱりといただきたいですね。なかには酢〆で出してくれる寿司屋もあり、脂の旨みと酢のバランスを味わえます。イワシは日本各地で獲れ、有名な千葉県銚子産は秋まで旬が続きます。

いわし寿司

アナゴ(6月~8月)

アナゴの握りといえば、柔らかく煮たものが一般的ですよね。冷蔵庫がない江戸時代、寿司は煮る作業が欠かせなかったことから、アナゴの寿司は江戸前寿司の職人の腕の見せどころでした。このように関東で主流になっているのは、煮詰めたアナゴですが、関西では焼きアナゴを握る寿司屋もあります。

アナゴの旬は初夏から夏にかけて。旬のアナゴはふわりとして、口の中でホロっと崩れてしまうくらい柔らかくて人気があります。江戸前に代表されるように、アナゴは東京湾でも獲れますが、希少なため、他の地域で獲れたアナゴも多く出回っています。
アナゴ寿司

カンパチ(6月~8月) 

カンパチはブリやヒラマサの仲間ですが、ブリよりも味わいが上品といわれています。鹿児島県で多く養殖され、天然物では和歌山県、高知県産が有名。カンパチは上から見ると両方の目の間に八の字型の模様があることから「間八」と名付けられました。

締まった身は歯ごたえがあり、深いコクのある旨みを楽しめます。ほのかな甘みのある脂がのったカンパチは、夏にぴったりの握り寿司ですね。

かんぱち寿司

アジ(4月~7月) 

光物の代表格であるアジ。味が好いことからアジと呼ばれるほど、古くから人気がある大衆魚です。日本近海で取れる魚で、なかでも長崎県が一番の漁獲量を誇っています。回遊しないアジは「黄アジ」、回遊するアジは身が黒く、「黒アジ」と呼ばれています。

生臭さはなく、うま味成分が強く含まれているため、脂がのっていてもしつこさがありません。鮮度落ちと臭みを防ぐために添える生姜などの薬味が独特な旨みを引き立てます。地域によって酢〆で食べることもでき、夏の風物詩といえる寿司ですね。

アジ寿司

スズキ(4月~8月)

年間通して日本各地で獲れる魚ですが、産卵を終えた春は味が落ちるため、夏がおいしい季節です。旬のスズキは半透明の白い身が特徴的で、脂も含んでいるため噛むほどに白身の甘みが感じられます。

河口近くにいることが多く、川独特の香りが感じられるのも特徴のひとつです。夏は身が柔らかく、味にクセがないため食べやすい寿司ネタですね。比較的安く仕入れられることもあり、江戸前寿司ではよく見られる寿司ネタとして愛されています。

すずき寿司

マコガレイ(6月~8月) 

冬はヒラメ、夏はマコガレイ(真子鰈)と言われるほど白身魚の代表格です。

大分県で獲れる城下カレイが有名で、初夏から秋口までが旬になります。透き通るような身はさっぱりとして爽やかな味わい。柔らかくて歯ごたえがよく、噛めば噛むほど甘みが滲んで楽しめます。

ヒレにあるエンガワも寿司ネタになっており、独特な歯ごたえで人気があります。

エンガワ寿司

ミズダコ(6月~7月)

日本で多く食されるタコにはミズダコとマダコがあります。ミズダコは一年中とれますが、旬は
夏場の産卵の準備で太った6月から7月にかけて。
ミズダコは9メートルになることもある巨大なタコです。塩茹でにするのが一般的で、マダコに比べると甘味や旨味は少なめですが、水分が多く柔らかくみずみずしいのが特徴です。マダコより生で食すのに適しており、柑橘類や塩と一緒にさっぱり食べることができます。

タコ寿司

 

アワビ(6月~8月)

貝類の中で最高級のネタの一つです。旬は場所によっても変わりますが、一般的には初夏から秋口が旬となります。寿司ネタにされるのは過熱調理しやすい「マダカアワビ」と「メガイアワビ」。

日本全国で獲れ、なかでも千葉県外房産のアワビが有名です。寿司ネタにするには、念入りに蒸しあげて弾力ある柔らかな歯ごたえに仕上げます。香りのある甘みと旨みを感じながら余韻を楽しめる夏の贅沢です。

アワビ寿司

 

寿司で夏バテ解消!いまだけの旬を召し上がれ

夏の暑い時期は白米を避けてしまいがちですが、寿司なら酢飯にしてあるためサッパリと食べられます。夏が旬な魚は淡白な味わいを持ち味にしたものが多く、バリエーションも豊かです。
酢〆のネタも増える時期ですので、夏ならではの寿司を味わって、夏バテを解消しましょう!