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2023年10月9日、シカゴ市のサウスサイドに新しいくら寿司USAの店舗がオープンした。
その開店初日には驚異的な7時間という待ち時間が発生し、ニュースで取り上げられるなどアメリカで大きな話題を呼んでいる。
これはアメリカのサウスサイドにおけるくら寿司への期待が非常に高いことを示しているが、他のくら寿司の店舗も同様の状況が多く、混雑時間帯は3時間以上待つこともザラだ。
こうした現象はくら寿司USAがアメリカで大きな成功を収めていることを裏付けているといえるだろう。
くら寿司USAの一皿あたりの価格は3.65ドルで、現在の為替レートで550円に相当する。これは一皿115円から提供される日本のくら寿司の価格のおよそ5倍で、物価の差を考えても日本人の視点から見れば、かなり高額に設定されているといえるだろう。
アメリカでの絶大なくら寿司人気の要因はいくつかある。
一つは3.65ドルという価格がアメリカでは高額ではなく、むしろ提供している価値に対してリーズナブルなものと受け止められている傾向にあることだ。
一皿550円のくら寿司USAはアメリカではコストパフォーマンスが高い寿司レストランなのだ。
くら寿司USAが成功しているもう一つの要因はその品質の高さにある。
くら寿司のメニューのほとんどは寿司ロボットとアルバイトでシステム的に調理されており、寿司の本場である日本では、高品質な寿司チェーンというよりは、どちらかというとリーズナブルな寿司ファミリーレストランというイメージの方が強いといえるが、これがアメリカでは全く異なる評価を受ける。
米国には多くの寿司レストランが存在するが、その多くが現地の人々によって開業されたレストランであるため、おにぎりのようにシャリが硬い寿司であったり、日本人視点で見るとその品質は決して高いとはいえない。
そのような状況下で、世界中から輸入した寿司ネタを、日本の親会社の基準に従って調理するくら寿司USAは一定の品質基準を維持しているため、現地の寿司レストランよりも相対的に高品質の寿司を提供することができるのだ。
くら寿司USAは日本のくら寿司同様、寿司以外にラーメン、うどん、デザートなどのサイドメニューも含めて150種以上ものメニューを提供している。
こうした多彩な選択肢があるのも、厳格な管理工程を持つくら寿司ならではの特徴で、これが幅広い層から支持を得る要因となっている。
このように、くら寿司USAはアメリカでは揺るぎない成功を収めつつあるが、この状況に対して、多くの投資家やアナリストたちも高い評価を与えており、2019年のアメリカ進出以来、株価は堅調に伸び続けている。
2023年10月現在、アナリストの平均株価目標はおよそ93ドル前後で、くら寿司USAの株式は「強力に買い」と評価されている。
※本記事は投資を推奨するものではありません
くら寿司USAの成功要因は、相対的に高品質な寿司を提供できていること、価格設定がアメリカ人にとってリーズナブルな価格設定であること、幅広い客層にこたえる豊富なメニューなどにあるといえるだろう。
くら寿司は台湾をはじめとするアジア各地でも成功を収めており、今後はアメリカなどを含め、世界進出をさらに加速されると考えられる。
しかし、アメリカでは先日大型M&Aを実施したゼンショーグループ率いるはま寿司など競合の進出も進んでおり、必ずしも今後も順調かどうかは不透明だ。
くら寿司がアメリカでさらなる成功を収めるためには、日本の競合他社よりもいかに競争優位性を持てるかどうかという点が鍵になってくるだろう。
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