寿司好き初心者から上級者まで! 粋な大人になるために知りたい寿司のマナーなど
日本の食文化を代表する料理「寿司」。江戸時代に生まれた寿司の文化は現代までに大きく広がり、今では高級寿司から大衆寿司まで幅広く楽しめる食文化です。
そんな日本人に馴染み深い寿司には食べ方やマナーといったさまざまな規則があります。特に高級な寿司屋さんに訪れる時には、寿司屋のマナーが気になるもの。
今回は初心者から上級者までタメになる寿司の知識やマナーなどをご紹介しますので、お寿司屋さんに行く時にはぜひ参考にしてみてくださいね。
寿司をより楽しめる食べ方は?
寿司を食べる時には、自分の一番好きなネタや最初に食べたいネタから始める方が多いと思います。もちろんそれも良いですが、実はより美味しく寿司を食べられる順番というものがあります。
もし、味の濃い赤身のネタや甘い味付けのネタを最初に頼んでしまった場合、その後に食べる白身魚の味がぼやけてしまいます。そのため、まずは淡い味の白身魚を先に食べた後に、味の濃いネタや脂身の多いネタを頼むのがおすすめです。
寿司屋によってはおまかせのコースなどを用意してくれているので、最初に訪れるお店ではおすすめのコースを注文しておく方が無難です。
また、食べられないものや苦手なネタがある場合には、コースが始まる前に伝えておくと安心ですね。
寿司屋でのマナー
まずは、寿司屋での基本的なマナーや寿司の食べ方について学んでみましょう。 大事な会食やデートなどのシーンで高級な寿司屋に訪れることがありますよね。そんな時のために、寿司屋のマナーや食べ方の知識を知っておくと安心です。
マナー1:たばこや香水の匂いには気をつける
香水のつけ過ぎや過度なタバコの匂いは、新鮮な素材の風味や繊細な香りを損なうため、控えることがマナーです。これは寿司屋のみならず、飲食店全般でも注意すべきマナーです。
匂いは周りの人にも迷惑をかけしまうので、来店前に配慮するようにしておきましょう。
マナー 2:食べるタイミング
高級店などに行くと、寿司は握りたてを楽しめるように一貫ずつ出されます。シャリやネタが乾く前に、出されたらすぐに食べるのが寿司本来の味を楽しむマナーです。
また、回転寿司店で食べたい寿司を手元に置くのは2皿までがよいとされています。これも先述の通り、3皿以上キープすることで寿司が乾いて寿司の味が損なわれることを避けるためです。
マナー3:手づかみまたは箸で食べる
寿司を手づかみで食べていいのか箸で食べるべきなのか迷うことがありますよね。
手と箸のどちらで食べても大丈夫ですが、昔は手で食べるのがマナーとされていましたので、同席した相手が手で食べている場合は同じように手で食べるのもよいでしょう。
逆にデートなどで、手を汚したくない場合は箸で食べましょう。
ただし、手で食べる時でもガリは箸で食べるのがマナーです。ややこしいですが混同しないよう注意しましょう。
【正しい手づかみの食べ方】
- ネタが左側面にくるように横に倒します。
- 親指と中指で両脇をつまみ、人差し指を添えて寿司を持つ。
- ネタに一度だけ醤油をつけ、シャリには醤油をつけない。
【正しい箸を使用した食べ方】
手づかみで食べる場合と同じように、寿司を横に倒し、箸でネタの上とシャリの下を挟んで持ちます。
醤油をつけるのはネタだけにします。
マナー4 :醤油の扱い方・つけ方
醤油皿に入れる醤油は少量にとどめましょう。たくさん入っていることで、ネタやシャリに醤油が多く含んでしまい、醤油の味でネタやシャリの良さがかき消されかねません。
タレがついているネタや初めから醤油がついている寿司は、醤油をつける必要はありませんのでそのまま食べるのがスマートです。
マナー5:寿司ゲタは動かさないようにする
カウンターのある寿司屋に行って席に座って目にするのが、寿司を置く木製のお皿。これを「ゲタ」と言います。 お店によってはゲタの位置が少し高く感じることがあるかもしれませんが、基本的にゲタを動かすことはマナー違反です。
寿司をゲタの上に置かれたら、そこから手を伸ばして寿司を取り手元やロへ運ぶようにしましょう。
寿司屋の業界用語
寿司屋にいると、職人さんたちが使う独特の業界用語を耳にしますよね。 こういった業界用語・符牒を覚えておけば、より寿司の世界が見えてきます。
しかし、業界用語を使うには注意が必要です。たとえば、お勘定をあらわす「おあいそ」は、職人がお客に対して「愛想がなくて申し訳ない」とへりくだって言う表現であり、お客が言うのは不自然です。「お勘定」または「お会計」と言う方が自然で良いでしょう。
また、普通にいえばわかることで業界用語を不必要に使うと、寿司職人さんに煙たがられてしまうことも。例えば、醤油のことをムラサキというのはちょっといきすぎです。業界用語はあくまで知識としてとどめておくのが大人の通です。
今回はポピュラーなものから意外に知らないものまで、さまざまな寿司の業界用語をピックアップしてみました。
アガリ
寿司屋で出されるお茶のこと。もともと花柳界で使われる言葉で、客が帰る直前に出されるお茶のことを「あがり花」と呼んでいたことに由来しています。
アニキ・オトウト
アニキは前日仕入れたネタ、オトウトはその日仕入れたネタのこと。ネタの鮮度を表す言葉で、先に使うべき古いネタやシャリなどをアニキと呼びます。板場に耳をすますと聞こえてくることがあります。
ガレージ
ネタのシャコのこと。シャコを「車庫」と読み替え、そこからガレージと変化させたとか。
ギョク
玉子のこと。「ギョク」という読み方は「玉子」の「玉」の音読みからきています。また、玉子焼きは「ケラ」「ケラ玉」とも呼ばれます。
行徳
塩のことをさします。千葉県の行徳で古くから塩が作られており、江戸では行徳で作られた塩がよく使用されていたためこのような隠語が生まれました。
下駄
寿司を盛る木製の台。寿司台、寿司盛台のこと。下駄の歯のような脚があるところからきています。下駄を使わずに陶器の皿や葉欄を用いる店もあり、皿はツケ皿と呼びます。
シャリコマ
シャリはすし飯のことですが、それを小さめにしているのがシャリコマ。シャリが大きい寿司屋でもシャリコマと頼めばシャリを小さくしてくれます。
ツメ
穴子の頭や中骨を炙り、醤油・酒・みりん・砂糖と一緒に煮詰めた甘いタレのこと。穴子の他にもタコや貝類など様々なネタで使われます。
なみだ
ワサビのこと。ワサビを食べると涙がでることからきています。
逃がす
食材を廃棄すること。食べ物を捨てるのは極力避けたいという想いと、廃棄という言葉はお客にとっても聞こえがよくないためこのような符牒が生まれました。「逃がす」は、海から獲った生き物を返すという意味も含まれています。他にも「投げる」「落とす」など同様の意味の隠語があります。
ピン・リャン
数字を示します。ピンは1、リャンは2。たとえば、職人が従業員に「アガリリャン!」と言えば「お茶ふたつ!」となります。
ムラサキ
醤油のこと。語源には諸説あり、醤油の色を紫色と表している所から由来した説や、高級品だったため高貴な色である紫色から由来している説などがあります。
基本的なマナーを抑えて寿司を楽しもう!
今回は寿司に関するさまざまな知識やマナーをご紹介してきましたが、一番大切なことは寿司を美味しく楽しく食べること!これらの知識は寿司を楽しむ時間のちょっとしたアクセントや会話のネタとして活かしてみてくださいね。