钓吉次
【读音】つりきんき
【英文名】Line-caught Kinki (Broadbanded Thornyhead)
釣りキンキは、北海道網走の漁業協同組合が商標登録したブランド魚であり、正式な和名はキチジという。延縄(はえなわ)漁法で一尾ずつ丁寧に漁獲されるため、トロール網や刺し網で水揚げされたものと比べて魚体の損傷が少なく、鮮度と外観において高い品質が保たれている点が大きな特長だ。
キチジはフサカサゴ科に分類される深海魚で、水深400〜600m前後の海底付近を主な生息域としている。体色は目を引く赤色で、大きな眼と扇を広げたような印象的な胸鰭が特徴的な形状をしている。白身魚に区分されるものの脂肪分が豊富で、寒い季節に脂が乗って旬を迎える。
20世紀前半にはトロール漁により大量漁獲されて安価に流通していたが、漁獲量の落ち込みや漁業者の高齢化、燃料コストの高騰などが重なった結果、今日では高級魚として市場で扱われるようになっている。網走では延縄専業による漁が続けられており、地産地消の推進とブランド価値の向上に向けた活動が積極的に展開されている。
北海道には、慶事の場でマダイに代えてキチジを食卓に並べる習わしが伝わっており、地域の食文化に欠かせない魚として長らく親しまれてきた。寿司ネタとして供する際には、脂の豊かな甘みとほろりとした柔らかい食感が堪能できる。


