牛尾鱼
【读音】こち
【英文名】Flathead
「鯒」の字をもつコチは、薄く扁平な体で海底へぴたりと身を伏せる底棲性の海水魚を包括した名前だ。マゴチやメゴチ、ネズミゴチなど複数の種を含み、体長は5cm級の極小種から1m近い大型種まで開きが大きい。暖海域を中心に温帯圏の沿岸にも広がり、砂泥の浅場を好む種や岩礁帯に隠れる種、珊瑚礁の近くで過ごす種など生活圏はさまざまだ。
寿司の世界で白身の最上級品に数えられるマゴチは、西日本沿岸部の砂泥の底を主な住処にし、夏場に味わいの頂点へ達する。脂が控えめで品のよい甘みをたたえた身は、薄造りや洗いで味わうのが正攻法だが、揚げ物や煮付けに仕上げても奥深い風味が楽しめる。
外見上は見分けにくいものの、コチ科(カサゴ亜目)とネズッポ科(ネズッポ亜目)は系統的に距離のある二系統だ。海底暮らしへの適応を別々の進化経路でたどり、外見が似通うかたちに落ち着いた平行進化の好例でもある。識別点は明確で、コチ科はざらついた体表と大きめの口を備え、ネズッポ科は粘液に包まれた滑らかな肌と小さめの口をもつ。
マゴチの繁殖様式には雄性先熟の性転換が組み込まれ、成長段階で雄から雌へ移行するため、大型の個体は大半が雌となる。関西地方では「ガッチョウ」の愛称で親しまれ、夏の食卓に欠かせない存在だ。


