皮霜 / 汤霜
【读音】かわしも/ゆしも
【英文名】Kawashimo
魚の皮と身が接する部位には濃いうまみが凝縮する一方、皮そのものは硬く、加熱なしで口にするには不向きなことが少なくない。この矛盾を解消する刺身の仕立て方が、皮霜(かわしも)と湯霜(ゆしも)の二手法だ。皮面だけに一瞬の熱を加え、硬さをほぐしつつうまみを余さず生かす点が両者の共通原理にあたる。
皮霜造り——皮付きの柵を皮面が上になるよう配置し、布巾で覆った上から煮立てた湯を一気に回しかけ、直ちに氷水で冷やし込む。鯛に施す場合は松皮造りの呼称が用いられる場面も多い。
湯霜造り——柵あるいは切り身を高温の湯へ瞬時だけ浸し、間髪入れず冷水に移して余熱を遮断する。霜降り造りや湯引きの名でも通る手法だ。湯温の目安は約70度で、表面がほんのり白く変色した時点で引き上げるのが鉄則にあたる。加熱が過ぎると半煮えや半生の仕上がりを招くため、温度調節とタイミングには繊細な技量が欠かせない。
両手法に共通する利点は、素材表面の臭みやぬめりを落とすと同時に、たんぱく質を薄く固めてうまみの流出を食い止める点にある。皮を直火で炙る焼霜造りとは加熱原理がまったく別物だ。鯛やカンパチなど皮目に豊かな味わいを持つ白身魚全般に対し、寿司の現場で日常的に活用される刺身技法のひとつだ。


