诺如病毒
【读音】のろういるす
【英文名】Norovirus
寿司店をはじめ飲食業界の衛生面で最も警戒される病原体がノロウイルスである。食中毒や感染性胃腸炎の発生原因として頻度が高く、令和6年の国内統計では食中毒の全患者のうちおよそ60%を占めた。流行は毎年11月から翌3月に集中する。
カリシウイルス科に属するRNAウイルスで、粒子径は30〜38nm前後。エンベロープをもたないため消毒用アルコールでの不活化が困難であり、10個から100個ほどのウイルス粒子が体内に入るだけで感染が起こりうる。
1968年、米国オハイオ州ノーウォークでの集団胃腸炎を機にこのウイルスの存在が判明し、2002年には国際ウイルス分類委員会が現在の名称を正式に定めた。
寿司との関わりでは、カキなど二枚貝が海水中のウイルスを濾過摂食で体内へ濃縮·取り込む性質が問題視されてきた。ただし最近の傾向としては、貝類が感染源と断定されるケースは減り、調理従事者の手指経由で食品が汚染される事例が大半を占める。
感染後の潜伏期間はおおむね24〜48時間で、嘔吐·下痢·腹痛を発症する。健康な成人であれば1〜2日程度で回復に向かう。予防の要は手洗いの徹底と次亜塩素酸ナトリウムを用いた殺菌処理であり、生食材を扱う寿司店にあっては従事者の体調把握と調理器具の入念な洗浄が不可欠といえる。


