筋子
【讀音】すじこ
【英文名】Sujiko (Salted Salmon Roe Sac)
軍艦巻きの定番ネタとして寿司店に根づいている筋子(すじこ)は、サケ科の魚が持つ卵巣を粒の連なった姿のまま塩や調味液で仕込んだ加工品だ。塩仕込みが最も一般的であり、醤油や粕を用いた漬け方も各地で親しまれている。粒をひとつずつほぐして膜から外せばイクラ(バラ子)となり、見た目も食べ方も筋子とはまるで別物となる。
両者を正確に区分すると、卵が十分に育った段階で一粒ずつばらせばイクラ、まだ発育途上の卵巣へそのまま味を入れた品が筋子に該当する。加工前の素材は「生筋子」と称し、土地ごとに呼び名が異なって「腹子(はらこ)」を使う場所も見受けられる。
仕込みではまず、約2%の塩分をもつ水中で血合いを丁寧に除く。次に飽和食塩水へ30分ほど浸し、布で覆いラップを巻いて重石をのせ、5〜7日かけて冷蔵庫で熟成させれば完成だ。火を入れず、生の状態で食卓にのぼるのが基本となる。
歴史は平安期にまで遡り、法令集『延喜式』には卵を宿したサケの加工品が内子鮭の名で登場している。寿司店では軍艦巻きに仕立てるのが王道で、奥深い塩気と粒がねっとり舌に絡む食感が大きな持ち味だ。


