手卷
【讀音】てまき
【英文名】Temaki (Hand Roll)
巻き簾を一切使わず、両手だけで海苔·酢飯·具材をまとめ上げる——それが手巻きという寿司スタイルだ。一般的な巻き寿司が円筒形に仕上げられるのと対照的に、手巻きでは海苔を円錐状に成形するのが定番で、巻き上げた瞬間の海苔が放つパリッとした食感こそが、この料理の最大の醍醐味といえる。
発祥については、築地の寿司店「玉壽司」が1971年(昭和46年)に生み出したという説が有力で、同店は現在も「元祖末廣手巻き」の名で供し続けている。
家庭の場では、海苔·酢飯·各種具材をテーブル上に並べ、食べ手が自由に選んで巻くスタイルが広く根付いている。マグロ·サーモン·卵焼き·きゅうり·納豆·エビ·イクラといった多彩な素材を手元に揃え、その日の気分で自在に組み立てられる楽しさが支持される理由だろう。
寿司の現場でも、職人が一本ずつ手巻きに仕立てて提供するスタイルが見られる。巻き立ての海苔から漂う芳ばしい香りと風味を、口にする直前まで損なわずに届けられる点が、この形式ならではの魅力として評価されている。


