黑鮋
【讀音】くろそい
【英文名】Black Rockfish
ソイの仲間で食味が際立つ白身魚がクロソイ(学名: Sebastes schlegelii)で、メバル科メバル属に分類される海水魚だ。和名は、腹びれや尻びれ、尾びれを含め体全体が暗い黒色をまとう外見に由来する。標準的な体長は30〜40cm前後だが、大きく育った個体では60cm·体重3kgに達した記録があり、18年にわたり生きた例も残る。
国内では北海道から九州北部にかけた沿岸に分布し、朝鮮半島沿岸や中国近海へも生息の幅が広がっている。岩礁帯を好み、日中は岩陰にひそんで過ごすが、日が沈むと群れを形成し活発な回遊を始める。卵胎生で繁殖し、受精を経た卵を体内で発育させたのち仔魚を産む。
刺身をはじめ塩焼きや煮付け、唐揚げなど調理法を幅広く選べる点が魅力だ。ただし身質が繊細で崩れやすいため、煮物にする場合は加熱加減に注意したい。鮮度の高いものなら皮ごと食すことができ、湯引きで仕上げる松皮造りも根強い人気がある。
室蘭市は本種を市のシンボルとなる魚に定め、土地を代表する食材に位置づけている。別名「北海道の鯛」と評されるほど味への信頼は厚い。クロゾイ·クロカラ·ゴマソイなど地域ごとに多彩な呼び名があり、「ソイ」の名は「いそいお」すなわち磯に棲む魚が転じたものと伝わる。


