蝦夷法螺
【讀音】えぞぼら
【英文名】Wrinkled Neptune
「真つぶ」として市場で取り扱われるツブ貝の代表格がエゾボラだ。握り寿司や刺身に仕立てた際のコリコリと弾む歯ざわりが持ち味であり、寿司愛好家から根強い支持を集める。主な漁法はツブかごで、北海道やサハリン沖のオホーツク海で水揚げされた個体が流通の大半を占める。
棲息地は水深50〜200メートルの海底、オホーツク海に面した冷涼な海域に限られる。殻長は最大約15センチ、メスがオスを上回るサイズに成長する点も特徴の一つだ。肉食性の捕食者で、筒状に細長い口吻を使い、多毛類や二枚貝、ホヤなど底生の動物を餌とする。
食材として扱う上で最も重要なのが唾液腺の除去だ。唾液腺にはテトラミンが含まれ、除去が不十分なまま口にすると30分〜1時間前後で頭痛·めまい·酩酊に似た感覚·足取りの不安定といった中毒症状を招く恐れがある。厚生労働省が公表した情報によれば数時間で回復に向かい、死亡事例は皆無だ。
分類上はエゾバイ科エゾボラ属に位置し、1955年にスカルラートが記載した種だ。左巻きの殻を有する個体の報告例もある。


