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梨割 / 頭蓋切

【讀音】なしわり/かぶとわり

【英文名】Nashi-wari / Kabuto-wari

梨割り(なしわり)とは、鯛などの魚の頭部を正中線に沿って縦に二つに断ち切る技法を指す。「兜割り(かぶとわり)」という別称でも知られている。主に兜煮(かぶとに)を作る際の下処理として用いられ、頭を左右に開くことで火の通りを均一にし、味を染み込みやすくする目的がある。

対象となる魚は主にマダイが代表的で、硬い頭骨を一気に割るには出刃包丁と確かな技術が必要となる。包丁の刃元(あご)を額の中央に当て、体重を乗せるようにして切り下ろすのが基本的な手順である。

考古学的な知見によると、鎌倉から室町時代にかけての遺跡である草戸千軒町では、出土したマダイの頭骨にいずれも刃物で割った痕跡が残っていた。平安後期以降のさまざまな時代の遺跡でも同様の痕跡が認められており、長い年月にわたってこの調理法が継続して実践されてきたことがうかがえる。

一方、「兜煮」「兜割り」という呼称そのものは江戸期の料理書には見当たらないとされ、武家社会において「兜を割る」という表現が不吉なものとして忌避されたことから、これらの名称は明治以降に広まったとする説も存在する。

なお「兜割り」は剣術用語としても知られ、幕末の剣客·榊原鍵吉が鉄兜を日本刀で断ち切る実演で名を馳せたことでも有名である。料理用語と剣術用語で同じ語が使われている点は興味深い。

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