むらさき
【讀音】むらさき
【英文名】Murasaki / soy sauce
むらさきは、寿司店で醤油を指す符丁(業界用語)である。醤油の色が暗い紫褐色を帯びていることから、この呼び名が生まれたとされている。
「むらさき」という色名のルーツは、ムラサキ科の多年草ムラサキにある。この植物の根は乾くと暗紫色を呈し、古来より「紫根(しこん)」として染料や生薬に利用されてきた。奈良時代には万葉集に詠まれるなど、日本文化と深い結びつきを持つ植物である。
寿司店のカウンターでは、直接的な言い回しを避ける独特の符丁文化があり、醤油を「むらさき」、お茶を「あがり」、酢飯を「シャリ」、お勘定を「おあいそ」などと呼ぶ習慣がある。これらはもともと職人同士の業務用語として発達したもので、客側が多用するのは本来の用法とは異なるとする意見もある。
なお寿司店で使われる醤油には、濃口醤油をベースにした「煮切り醤油」が多く、ネタの味を引き立てるよう調合されている場合がある。


