インディカ種
【よみ】いんでぃかしゅ
【English Name】Indica rice
インディカ種はイネの二大亜種のうちのひとつで、学名を Oryza sativa subsp. indica という。世界全体のコメ生産量に占める割合はおよそ8割に達するとされ、インドや南アジア・東南アジア、中国中南部、中南米といった高温多湿な気候帯に分布する広大な栽培圏を持つ。
粒形は細長く、アミロース含有率が高いため、加熱後も粘りが出にくいという性質がある。スパイスや具材と合わせて調理されるピラフ・カレーなどとの親和性が高く、産地においても白飯としてそのまま食べる習慣はさほど一般的ではないとされる。寿司に用いるジャポニカ米が短粒・高粘りで酢飯に仕上げやすいのとは対照的に、インディカ種は握り寿司の原料には不向きとみなされている。
日本では古来「南京米」「大唐米」「タイ米」といった名称で認知されてきた歴史を持つ。1993年の冷夏が引き起こした国産米の大凶作を機に、タイ・中国などからの緊急輸入が急増した。しかし日本の炊飯文化や食感の好みとの相性が悪く、国内での普及は期待通りには進まなかった。現在の国内流通では、タイ料理・インド料理店向けの食材としての需要に加え、味噌・泡盛・みりん・煎餅などの加工食品における原料利用が主な用途を占めている。
寿司の成立を支えるコメの特性を理解するうえで、ジャポニカ種との違いを知るための基礎知識として押さえておきたい用語のひとつである。


