ビンナガマグロ
【よみ】びんながまぐろ
【English Name】Albacore Tuna
マグロ属に属する小型種であり、学名はThunnus alalunga。熱帯・温帯の広大な海洋に生息域を持ち、日本周辺では太平洋側の北海道以南を主な生息圏とする一方、日本海側における記録は少ない。
完全に成熟した個体は全長約140cm・体重約60kgの大きさに達するが、漁獲物の主力は全長50〜100cm程度の若齢個体であり、カツオと似たサイズ帯に収まる。外観上の最大の特徴は著しく発達した胸びれで、第二背びれをゆうに突き抜ける長さを示す。和名「鬢長」は、この長い胸びれの形がもみあげ(鬢)を連想させることに由来する。
筋肉は淡白なピンクがかった白色を呈し、繊維がほぐれやすいやわらかな食感が際立つ。国際的には缶詰原料として広く重宝され、食感がチキンに似ることから「シーチキン」の通称で広く親しまれてきた。寿司の世界では、冷涼な海域で肥育した脂の乗った個体が「ビントロ」と呼ばれており、回転寿司の定番ネタのひとつとして確固たる地位を占める。好適な水温帯は16〜20℃で、キハダやメバチの適水温を下回り、クロマグロの好む水温よりもわずかに高い範囲を好む。資源動向については、IUCNレッドリストの2021年評価において軽度懸念(LC)へと区分が見直された。


