ホッケ
【よみ】ほっけ
【English Name】Atka Mackerel
アイナメ科ホッケ亜科に属するこの魚は冷水域を主な生息域とし、成魚の体長はおよそ60cmほどになる。日本近海では茨城県・対馬海峡以北の海域からオホーツク海、南樺太沿岸にかけて広く分布し、東北沖〜北海道周辺の水域では4系群の存在が研究者によって報告されている。
成長とともに呼称が段階的に切り替わる出世魚の仲間であり、アオボッケ→ロウソクボッケ→マボッケ→ネボッケという順で名前が変わる。体表に5本の側線を備えている一方、浮き袋を持たない構造は他の魚種にはほとんど例がなく、際立った形態的特徴のひとつとなっている。
非常に速いペースで鮮度が落ちる魚質のため、以前は開き干しの加工品として流通するのが一般的だった。戦後の北海道でニシン漁が急激に衰退した局面において、その穴を埋める形で全国的な需要拡大を果たした。1980年代には年間漁獲量が30万tを超える水準に達していたが、近年の水温変化や漁獲圧の累積的影響により、2013年の統計では5万3千t台まで急減している。
アニサキスや旋尾線虫といった寄生虫が混入する可能性があることから、生食はほとんど行われない。ただし−20℃以下での凍結処理を施した刺身用フィレが一部で流通しており、これを寿司ネタとして使用する店舗も存在する。豊かな脂を蓄えた白身はさっぱりとした口当たりの中に深い旨味をたたえている。


