軍艦 / 軍艦巻き
【よみ】ぐんかん/ぐんかんまき
【English Name】Warship roll / Gunkan roll
帯状に切った海苔で酢飯をぐるりと包み、頂部のくぼみへ具材を盛る——それが軍艦巻きと呼ばれるスタイルだ。いくさぶね(軍艦)を連想させる外観がそのまま名前の由来となった。
焼き海苔1枚を横へ3つに切り分け、その1片で酢飯を帯のように一周させる。上面が器のような形になるため、イクラ・ウニ・ネギトロ・とびこ・シラウオなど粒が細かく散りやすいタネや、和え物の盛り付けに好都合だ。
昭和16年、つまり1941年のこと。銀座の名店「久兵衛」で初代の今田寿治がこの手法を編み出した。当時ウニやイクラを握りとして出す文化はまだ根付いておらず、海苔の壁で酢飯を囲む方式が新しい寿司ダネへの扉を開いた。ただ旧来の職人気質が根強い寿司業界では批判も多く、NHKラジオの放送で「ゲテモノのようだ」と評された記録が残っている。
海苔で囲んだ状態は数十分ほどしか持続しないため、配達の品書きから除く店も見受けられる。対照的に回転寿司の現場では創作精神が旺盛で、えびマヨ・納豆・コーン・サラダ・ハンバーグといった独創的な軍艦が次々に登場した。海外の寿司店ではキャビアを取り入れるケースも確認されている。


