ビントロ
【よみ】びんとろ
【English Name】Bintoro (Albacore Toro)
回転寿司の定番ネタとして広まったビントロは、ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)の脂が豊富な部位を指す呼称である。
ビンナガ(学名 Thunnus alalunga)はサバ科マグロ属の一種で、熱帯から温帯にわたる海域に広く棲息している。マグロ属では比較的小柄な種であり、体長の上限は約140cm、体重は最大で60kgほどに達する。ただし水揚げの多くは50〜100cm程度の個体が占める。
肉質は赤身に区分されるものの、色味はほぼ白に見える淡いピンクで、きわめてやわらかい。マグロ類としてはうま味が穏やかとされる一方、冷水域で育った個体は脂肪を豊富に蓄え、口どけのよい食味が生まれる。この脂の厚い箇所こそが「ビントロ」であり、本マグロのトロと比べ大幅に安価ながら似た味覚体験が得られるため、回転寿司チェーンで爆発的に普及した。
和名は胸びれの長さに由来する。前方から観察した姿が鬢(もみあげ)を思わせることから名付けられた。関西・高知方面では胸びれの姿がトンボに似るため「トンボマグロ」の別称が定着している。


