火取り
【よみ】ひどり
【English Name】Hidori (Flame-Searing)
火取り(ひどり)とは、寿司や和食で用いられる調理技法の一つで、ネタの表面を短時間だけ直火にあて、軽く焼き色と香ばしさをつける手法である。
藁(わら)や炭火、あるいは現代ではバーナーを使い、素材の表面だけを瞬間的にあぶることで、内部は生の状態を保ちつつ、皮目の脂を溶かして風味を引き出す。白身魚や皮付きのネタとの相性がよく、のどぐろ(赤むつ)、金目鯛、鰆(さわら)などに用いられることが多い。
「炙り(あぶり)」とほぼ同義で使われる場合もあるが、伝統的な寿司の現場では火取りという表現が用いられてきた。火を通す加減が味を大きく左右するため、職人の経験と技量が求められる工程とされる。
皮目に火を入れることで、生のままでは硬く感じる皮を柔らかくし、皮下の脂を適度に溶かす効果がある。また、メイラード反応による香ばしい風味が加わり、素材本来の旨味との相乗効果が生まれる。握りだけでなく、刺身の調理でも広く活用される技法である。


