貝柱
【よみ】かいばしら
【English Name】Kaibashira (Adductor Muscle)
貝柱は、二枚貝における閉殻筋(へいかくきん)の俗称であり、殻を閉合させる役割を担う筋組織を指す。寿司の世界でも馴染み深いネタのひとつに数えられる。
構造的に見ると、殻の頂部に位置する靱帯が弾力で殻を広げる方向へ常に作用する。貝柱はこの力と拮抗し、内壁に直結して左右の殻を密着させ、閉じた状態を維持する働きを持つ。加熱や切断で貝柱の機能が損なわれると、靱帯の弾力のみが残り殻が開放される仕組みだ。
アサリやシジミでは前後に備わる2本の閉殻筋がほぼ同等の大きさで存在する。一方、ホタテガイでは後方の1本のみが極めて大きく発達し、殻の中心部を占拠する単筋型にあたる。タイラギやムラサキイガイなどは、後方が前方より著しく大きい不等筋型を示す。
食用として代表格はホタテガイ、タイラギ、イタヤガイ、イタラガイなど。発達した閉殻筋を有するこうした種は、水産資源として高い価値を認められている。寿司店ではホタテガイやタイラギの貝柱が握りや軍艦の形で供される。中華料理においては乾燥品を「瑶柱」と称し、煮熟と焙乾の工程を経て完成させる。


