寒鰆
【よみ】かんざわら
【English Name】Winter Japanese Spanish Mackerel
寒鰆(かんざわら)とは、晩秋から冬にかけて水揚げされるサワラを指す呼び名だ。春の字を組み込んだ「鰆」の表記は、産卵期に沿岸へ寄ってきて人目につきやすくなる習性にちなんだもので、味わいの旬は実は寒い時季に訪れる。
サバ科のなかでも大きく育つ肉食の魚で、頭から尾へ向かって横に薄く伸びたシルエットが目を引く。体の大きさに応じて名が移り変わる出世魚の一つで、40〜50cmほどの若魚は「サゴシ」、60cm以上に育つと「サワラ」の名がつく。記録に残る最大個体は全長115cmで重さ12kgに達した。
成分上は赤身のカテゴリだが、見た目の色が淡いために白身の魚と思われがちだ。寿司の分野では、冬の寒鰆を薄造りや昆布締めに仕立てた握りが珍重される。岡山県やその近辺には、鮮度の高い個体を刺身で堪能する食文化が受け継がれている。
冬場を迎えたサワラは活動が鈍くなり、沖合の深い海域へ沈んでいくため水揚げ量が大幅に落ちる。手に入りにくくなった分だけ希少性が増し、寒鰆は高級魚材の一つに数えられる。西京焼きや炙りも冬ならではの代表的な味わい方だ。


