ミズダコ
【よみ】みずだこ
【English Name】North Pacific giant octopus
ミズダコは北太平洋全域に生息域を持ち、世界最大のタコ類として広く認識されている種だ。学名 Enteroctopus dofleini(1910年、Wülker による記載)のもと、ミズダコ科ミズダコ属へと分類されている。
成体は腕の開帳径が3〜5mに達し、体重は通常10kgから50kg前後の範囲に収まるが、記録された最大個体は全長9.1m・体重272kgという驚異的な数値を示した。国内では相模湾・駿河湾・五島列島以北の海域が主な生息域であり、アラスカからカナダにかけての沿岸部にも広く分布している。
「ミズダコ」という和名は、肉に水分が多く軟らかい質感を持つことから付けられた。かつてはマダコと比べると風味が落ちるという見方が主流を占めていたが、マダコの漁獲量が低下するなかで再評価が進んでいる。独特のやわらかな食感や迫力ある大きな吸盤を好む消費者も相当数存在する。タウリンの含有量についてはマダコを超えるという指摘もある。
寿司ネタとして供される際は、淡白ながら柔軟な口当たりが特徴。刺身・たこしゃぶ・塩茹で・唐揚げと調理の幅も広く、北海道や東北地方では「タコ」といえば真っ先に本種が思い浮かぶほど親しまれている。正月料理の卓上を彩るタコの大半も本種が担っており、蛸壺漁を主体とする北海道が国内最大の漁獲産地となっている。


