南関あげ巻き寿司
【よみ】なんかんあげまきずし
【English Name】Nankanage maki sushi
南関あげ巻き寿司は、熊本県玉名郡南関町に伝わる郷土寿司である。一般的な巻き寿司が海苔を外皮に用いるのに対し、地元名産の「南関あげ」で酢飯と具材を巻く点が大きな特徴となっている。
南関あげは、薄切りにした豆腐に約1トンの圧力をかけて水分を除去し、二度揚げして仕上げる乾燥タイプの油揚げである。一枚あたり約20cm四方と大判で、この寸法が海苔の全型(縦21cm・横19cm)とほぼ一致するため、巻き寿司の皮として転用しやすい。
調理時には、乾いた状態の南関あげをまず下茹でして油分を除き、だし汁で煮て味をしっかり含ませてから巻きの工程に移る。出汁を吸った揚げが酢飯を包むことで、いなり寿司とも異なる独特の風味が生まれる。
この料理の誕生は昭和40年代とされ、南関町で郷土料理の研究・伝承活動を行う地元グループが、海苔に代わる素材として南関あげを活用する方法を考案したのが始まりといわれている。現在は農林水産省「うちの郷土料理」にも収録されている。


