歩留まり
【よみ】ぶどまり
【English Name】Yield / Extraction rate
魚一尾を丸ごと買い付けた際に、握りや刺身のネタとして使える身の重量が全体に占める割合を示す指標——それが歩留まり(ぶどまり)だ。頭・骨・内臓・皮・血合いなどの部位を取り除いたのちに残る正味の歩合を意味し、英語圏ではイールドレートの名で通じる。
寿司店にとって、この指標は原価管理の核心を成す。仕入れ値が手頃な魚種でも可食部が乏しければ、一貫あたりのコストは想定以上にかさんでしまう。逆に高値で取引される魚でも身の取れ高が豊富であれば、ネタ単価を低く収めることにつながる。
体型による差も著しい。マグロに代表される大型魚は骨・頭部が占める構成比が相対的に小さく、可食部に恵まれる傾向を示す。対照的に、ヒラメのような扁平な魚種や小ぶりの魚は骨格の重量比が高く、ネタに充てられる量が制限されやすい。
さらに、三枚おろしや柵取りにおける職人の技量がこの数値を大きく動かす。刃の入れ方次第で身の無駄が増減するため、同一の魚から確保できるネタの分量に歴然とした開きが出る。
可食比率の底上げと廃棄の圧縮は、食品業界全般でも古くから追い求められてきた課題であり、調理の手法や加工手順の改善が連綿と積み重ねられてきた経緯をもつ。


