血合い取り
【よみ】ちあいとり
【English Name】Bloodline removal
寿司や刺身の調理過程で、ネタの味わいと外観を大きく左右する下処理が血合い取りだ。魚体の身に走る暗い赤褐色の筋肉部——これが血合肉であり、ここを的確に削ぎ落とす技術が求められる。
ミオグロビンやヘモグロビンを中心に、酸素運搬を担う色素タンパク質が血合肉には密集する。ビタミンB群や鉄分、グリコーゲンの含有率も高く、栄養面では優れた部位だ。一方で、血液成分や鉄が集まる分だけ魚臭の原因になりやすく、生で供する寿司・刺身では除去する工程が不可欠である。
血合肉が身全体に占める比率は魚種ごとに差が大きい。外洋を回遊するカツオ・マグロ・サバでは総肉量の20%を上回る例もあるのに対し、タイやカレイなど白身魚では数%以下にすぎない。遠洋を絶えず泳ぐ魚ほど、持久力を支える血合筋の発達が顕著だからだ。
鰹節づくりでも、血合いを除いた「血合い抜き」は繊細かつ品のある風味をもち、高級品に分類される。魚のアラ調理では、沸騰した湯にさっと通してから冷水に浸す「霜降り」の手順で、臭みやぬめりを除くやり方が広く活用される。


