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鱒寿司ってどんなお寿司?歴史や由来、鮭との違い、名店まで紹介 

駅弁として売られている鱒寿司を目にしたことがあるかたも多いと思います。
江戸前の寿司とは様相を異にするものの、鱒寿司の美味しさは格別で、物産展などでも人気の商品です。

鱒寿司とははたして、どんな特徴がある寿司なのでしょうか。
その歴史や由来、鮭との相違も含めて、鱒寿司の魅力に迫ります。

鱒寿司とは?

鱒寿司とはどんな寿司なのでしょうか。

鱒寿司は押し寿司の一種です。
曲げわっぱに笹の葉を敷き、酢でしめたサクラマスのスライスを酢飯の上に乗せ、重石をして仕上げていきます。鱒は塩漬けにして酢でしめているため、独特の風味と味わいが魅力的。色も美しく、駅弁としても人気がある一品です。

鱒寿司は富山の郷土料理として知られ、富山県では1年を通じて食べられています。
家庭で作るよりも贔屓の専門店で購入し、お盆や祭事、年末年始などの機会に食する風習があるのです。

物産展等でも目にすることが多い鱒寿司には、どんな栄養が含まれているのでしょうか。
鱒にはビタミンA、ビタミンD、ビタミンB群、カルシウムやリンなど、ビタミンやミネラル類が豊富です。(※1)

また、昨今話題のDHAやEPAといった脂肪酸も豊富に含まれています。(※1)
これらの脂肪酸は、コレステロール値の上昇を抑制するほか、血栓を防ぐ働きでしられています。(※2)
脳梗塞や心筋梗塞を予防する効果が期待できるほか、アレルギー反応の抑止にも硬貨が認められています。(※2)

鱒寿司は美味しいだけではなく、健康面でもメリットが多い寿司といえるでしょう。

鱒寿司の歴史

鱒寿司の歴史

富山県の郷土料理として知られる鱒寿司は、どんな歴史があるのでしょうか。

その歴史は、18世紀の享保年間にまでさかのぼります。
富山藩の料理人であった吉村新八という藩士が、加賀藩主の前田利興になれ寿司を献上しました。このときの具は、鱒ではなく鮎であったと伝えられています。

その美味に感服した前田利興は、ときの将軍であった徳川吉宗に献上、大いに面目をほどこしたそうです。
その後、神通川で獲れるサクラマスを寿司の具とし、鱒寿司が誕生しました。この鱒寿司が、後々まで富山藩の献上品となっていったのです。

富山県の郷土料理であった鱒寿司の知名度が上がったのは、駅弁として販売されてからのことです。
1912年、鱒寿司は「ますのすし」という名で駅弁として登場、2012年には販売開始から100周年を迎え、不動の人気を誇っています。

鮭(サケ・サーモン)と鱒(ます)の違い

ところで、鱒は見た目も味わいも鮭にひじょうに似通っています。
実際には、鮭と鱒にはどんな相違があるのでしょうか。

鱒は、硬骨魚綱サケ目サケ科の魚です。実は、鮭と鱒は生物学的には明確な区別がないとされています。

鱒は、「マス」とか「~マス」という名がついた魚の総称に過ぎないのです。サクラマスやカラフトマスがこれに該当しますが、シロウトにはその違いは分かりにくいというのが実情です。

いずれにしても、富山県で発展した鱒寿司は、神通川に生息しているサクラマスで作られており、その繊細な味わいが愛されているのです。

ます寿司の色々な呼び名

ます寿司の色々な呼び名

一般的に鱒寿司の名で通るこの寿司ですが、実はいろいろな呼び名があります。

明治時代に「ますのすし」の名で駅弁として知られるようになったほか、「ますの寿司」「マスズシ」「ます寿司」など、お店やブランドによって呼び名はさまざまなのです。

富山県内には数多くの鱒寿司のお店があり、それぞれが商品名を微妙に変えています。この商品名が、さまざまな呼び名の由来となっているようです。藩主や将軍への献上品であっただけに、ひらがなも使った雅な名前が多いようです。

ご贔屓の鱒寿司のお店の商品名が、各地で普及していったのでしょう。

ます寿司の味

鱒の身の鮮やかな色が美しい鱒寿司。いったいどんな味わいなのでしょうか。

円形が特徴の鱒寿司は、ケーキのように切り取って食べていくのが王道。
この形もまた家族や仲間と賑やかに食べるのに適していて、人気の秘密かもしれません。

鱒寿司は押し寿司のひとつであるため、酢飯の部分はギュッとコンパクトです。スライスされた鱒は、塩漬けされ酢でしめられているため、魚臭さのないほどよい風味が魅力的。

笹の葉に包まれ、木製の曲げわっぱに入れられている鱒寿司は、笹と木の香りもかぐわしいのが特徴です。
これらの要素がマッチした鱒寿司は、品のよい味でロングセラーとなっているというわけです。

鱒寿司名店5選

鱒寿司名店5選

富山藩の献上品であった鱒寿司は、名店がいくつかあります。
そのなかでも選りすぐりの5店を紹介します。

鱒の寿し しまつ川本店

地元の人々のあいだで不動の人気を誇るしまつ川は、「鱒の寿し」という商品名の鱒寿司で知られています。

人気の理由は、鱒の絶妙な熟成具合にあります。他店には真似できない鱒の美味に加え、それにマッチしたお米は大粒で粘りのある「てんこもり」という品種をチョイス。

試行錯誤の上に誕生した極上の組み合わせで、地元民の支持を得ています。

店名:鱒の寿し しまつ川
住所:富山県富山市旅籠町2-10西森ビル1F
https://goo.gl/maps/EwzRnvVATTwjkLnh9
電話:076-494-9200
HP:https://matukawa.biz/index.html

魚づ鱒寿し店

丁寧な手作業を身上としているため、量産ができない鱒寿司があります。

それが魚づ鱒寿し店の「ますの寿し」です。
入手のためには予約も必須といわれるほどの人気で、至高の鱒寿司という説もあり。
事前の予約によって、食べる日に合わせた熟成と寿司の押し具合で作ってくれる職人芸のお店です。

店名:魚づ鱒寿し店
住所:富山県魚津市駅前新町701
https://goo.gl/maps/7G38hHQWuPD7xSFx7
電話:0765-24-3761
HP:https://www.keison.jp/masuzushi

鱒の寿し 高田屋

創業明治5年の老舗として有名なのが、鱒の寿し高田屋です。
鱒が獲れる神通川のほとりにある高田屋は、記録によれば最も古い鱒寿司のお店ということになっています。

美味しい鱒寿司を売るだけではなく、数々の職人も輩出した名店であり、その正統な美味は全国的に知られています。
ジューシー感さえある鱒ともちっとした食感の米のハーモニーは、富山の風土を知り尽くした老舗ならではの魅力。

店名:鱒の寿し 高田屋
住所:富山県富山市丸の内1丁目1-13
https://goo.gl/maps/WUtznmnSKJtnnSi1A
電話:076-432-4774
HP:https://takataya.biz/index.html

扇一 ます寿し本店

隠れた名店として鱒寿司通たちのあいだで話題になっているのが、扇一ます寿し本店です。
公式サイトもオンラインでの販売もない同店は、購入できたら奇跡というほど入手が難しい美味です。

扇一の鱒寿司の特徴は、鱒の厚みとレア感。
同店独自の熟成具合が目新しく、従来の鱒寿司とは一線を画す味わいが人気となっています。

店名:扇一 ます寿し本店
住所:富山県 富山市 小泉町 54-11
https://goo.gl/maps/ZCt7F22qiiNtZ2nu5
電話:076-491-0342

青山総本舗

天然のサクラマスと輸入サーモンを上手に使い分け、酢や米、笹の葉や曲げわっぱにまでこだわりを持つお店が、青山総本舗です。
笹の葉や入れものの香りまで気品があり、富山では贈答品としてもよく使われているのだとか。こだわりの酢によるさわやかな食感が魅力的で、ワンランク上の鱒寿司を味わってみたい人にはおススメです。

店名:青山総本舗
住所:富山県富山市新富町1-4-6
https://goo.gl/maps/LwFzfA8fSWYaSwh78
電話:076-432-5324
HP:http://www.masuzusi.com/

オンラインで買える評判の良い鱒寿司

富山県の郷土料理である鱒寿司ですが、名店の味をオンラインで買うこともできます。名店5選で紹介した老舗の高田屋、天然サクラマスを使用している青山総本舗、熟成にこだわるしまつ川は、オンラインで注文が可能。

上述したお店以外にも、駅弁として有名な「ますのすし」もオンラインで購入可。
富山に行かなくても、自宅で鱒寿司の美味しさを堪能できます。

ますのすし

駅弁としても有名なますのすしは、もちろんオンラインでも購入可能。
駅弁らしい郷愁を感じる味は不動の人気です。

店名:ますのすし本舗 源
HP:https://www.minamoto.co.jp/catalog

青山総本舗

笹の葉や酢にまでこだわる青山総本舗の味わい、オンラインで注文できます。
洗練された鱒寿司を堪能したいときはぜひ。

店名:青山総本舗
HP:https://item.rakuten.co.jp/masunoshi-aoyama/sp-single01/?s-id=review_PC_il_item_01

高田屋

「鱒寿司名店5選」にも登場した高田屋。鱒寿司のお店としては最も伝統があることで知られています。富山が誇る美味を自宅で堪能してみてください。

店名:鱒の寿し 高田屋
HP:https://takataya.biz/index.html

参考資料