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握り寿司だけじゃない! 日本全国の郷土寿司30選を一挙にご紹介

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寿司といえば、ほとんどの人が思い浮かべるのは握り寿司ですが、全国には握り寿司以外にもそれぞれの土地の気候風土や歴史に根付いた「郷土寿司」があります。

古い歴史や伝統を持つ郷土料理、特別な日の料理として受け継がれてきたものなど、この記事ではそんな目にも舌にも美味しい郷土寿司を全国からご紹介します。古い歴史や土地の恵みを凝縮した郷土寿司を目当てに旅のプランを立ててみるのもおススメですよ。

北海道・東北の郷土寿司

北海道・東北の郷土寿司

北海道・東北では、北の海に生息する新鮮な魚や豊かな山の恵みを使った寿司が自慢の一品となっています。一度は味わってみたい希少な食材もあるので、旅行の際は季節ごとのグルメ情報は要チェックですね。

北海道 シシャモ寿司

漁期は僅か1か月半、北海道にしか生息しない希少な本シシャモを使った握り寿司。普段、市場で売られているシシャモはまったく別種の魚なのだとか。本物の味わいを求めて1O月から11月の漁期には長い行列が出来る。まさに北海道ならではの郷土寿司です。

青森 すしこ

津軽地方に伝わる「ご飯の漬物」と言われている寿司です。蒸したもち米に浅漬けにした赤紫蘇、きゅうり、キャベツなどを入れ、乳酸発酵させて作られます。鮮やかな赤紫色に染まっていて、甘酸っぱく、食欲がなくなりがちな夏場でも食べやすく、稲作農家の多い当地では保存食として重宝されました。現在でも地元の人々に愛されている個性的な郷土料理です。

岩手 前沢牛の握り寿司

陸のトロと呼ばれる三大和牛のとろけるように柔らかな生肉を使った名物寿司。10年ほど前に特許登録されたばかりの新しい郷土寿司です。

秋田 ハタハタ寿司

ハタハタ寿司は、握り寿司よりも古い時代から作られてきた「なれずし」の一種。特産のハタハタを米・糀・野菜と一緒に漬け込み発酵させた伝統食で、おつまみとしても人気があります。

福島 ニシン寿司

敦賀港に荷揚げされた身欠きニシンを、大根と一緒に麹で漬けて保存食にした敦賀の珍味。山深い地域のため、ニシンは乾燥させたものを使います。江戸時代から始まり、今でも正月やお祭りのご馳走として人々に愛されています。

関東・甲信越の郷土寿司

関東・甲信越の郷土寿司

海に面した土地と内陸の土地でそれぞれ特徴的な郷土寿司が親しまれている関東・甲信越。江戸前寿司以外は、山の幸の寿司が見られるのが関東・甲信越の特徴です。

茨城 ウナギのちらし寿司

茨城県南部の北浦や霞ケ浦で獲れたウナギで作る郷土料理。昔から保存食として作られていたイモがらを入れた一風変わったちらし寿司です。

群馬 ニジマス寿司

紅白で色の異なるニジマスの身を使った寿司。

埼玉 きらず寿司

酢飯の代わりに、おから(きらず)を使ったヘルシーな寿司。
埼玉県にはきらず寿司の他に、熊谷で作られる「めぬまのいなりずし」と呼ばれる細長い形をした珍しい寿司があります。

長野 笹寿司

殺菌効果のある笹の葉でくるんだり、笹の葉の上にのせた寿司。
戦国時代からとされ、歴史に出てくる人物も食べたとか。

新潟 鮭の飯鮓

正月の晴の料理や冬の保存食として作られる「なれずし」の一種です。鮭を野菜と交互に積み重ねて米と糀に漬けこんで発酵させます。

栃木 俵寿司

イナリ寿司を俵型に作った名物寿司。食べ応えがあり、地元の人々に人気があります。

東京 江戸前寿司

今やだれもが知る寿司の代表格。江戸前とは東京湾をさします。伝統的ななれずしは発酵に長い期間が必要ですが、とれたての新鮮な魚介類を酢飯に合わせた握りずしは江戸時代のファストフード。江戸時代は庶民の気軽な外食でした。

東海・北陸の郷土寿司

東海・北陸の郷土寿司

富山県 マス寿司

発酵はせず、魚と米を酢などで味付けした押し寿司の代表格。丸い容器に笹の葉を敷き、酢飯の上には色の美しいサクラマスを敷き詰めます。明治時代に駅弁として販売され、有名になりました。

岐阜県 朴葉寿司

朴葉(ホオノキの葉)で山菜や魚のちらし寿司を包んだ寿司。酢飯とホオノキの葉の殺菌効果で日持ちが良いとされています。元々、農業や林業で働く人が手を汚さずに食べられる弁当にしたことがはじまりです。川魚や〆サバ、佃煮や紅ショウガなどを具材にします。

福井県 木端寿司(こっぱずし)

葉っぱ寿司とも。酢を用いて味付けした魚と酢飯をアブラギリという木の葉で包んだ寿司です。木っ端寿司は木の葉によって独特な香りを生み出しています。

石川県 かぶら寿司

脂がのったブリと蕪(かぶ)を麹と一緒に漬け込んだ冬の保存食としてのなれずしです。「かぶら」は蕪(かぶ)を意味し、金沢を中心とした加賀の郷土料理として有名です

近畿の郷土寿司

近畿の郷土寿司

近畿地方は京都をはじめ、伝統的な食文化が多く残るのが特徴です。内陸部の京都では鯖街道を通って北陸から運ばれてきた鯖が、祭りに欠かせない寿司の材料でした。隣県の滋賀県では、日本の寿司のルーツとも言われるふなずしも作られており、県によって個性豊かな郷土寿司が今も親しまれています。

滋賀県 ふなずし

独特の発酵臭があり多少癖のある料理ですが、ふなずしは日本の寿司の起源である「なれずし」のかたちをとどめている全国の寿司の中でも貴重な一品です。魚と一緒に漬けこんだ米は食べず、魚だけを食べます。

三重県 手こね寿司

醤油ダレで漬けた新鮮な魚を酢飯にのせ、手で混ぜたちらし寿司の一種。漁師料理として始まり、昔は祝い事の際に食べた特別な料理でした。

奈良県 柿の葉寿司

薄い塩鯖を酢飯に添えて柿の葉で包み、重石をきかせて作ります。祭りや祝事に欠かせず、200年以上の歴史を持つ奈良県を中心に親しまれている郷土寿司です。

京都 サバ寿司

北陸から鯖街道と呼ばれる陸路で運ばれてきた鯖を使った寿司。内陸の京都と日本海に面する
北陸の交易の歴史が生んだ料理は京都の夏の風物詩です。

和歌山 めはり寿司

酢飯や発酵を使わない珍しい郷土寿司。高菜の漬物でおにぎりを巻いた携帯食で、樵や山仕事の為の弁当だったとか。日本の元祖ファストフードと言われています。元々は男性の握り拳よりも大きく、大きな口を開けて目を見開いて食べたことが名前の由来になっています。

中国・四国の郷土寿司

中国・四国の郷土寿司

江戸から遠く隔たった中国・四国地方では、保存食・祝事に食べる料理のとしての寿司の伝統が根強く残っています。木枠や型に酢飯や具材を詰め込む押し寿司が各所に残る一方、山と海に恵まれた豊かな食文化を反映した華やかな食材や、魚を丸々使う豪快な郷土寿司があります。

岡山県 ばらすし

酢飯の中に具材を混ぜ込んだ一品料理。一品料理としたのは、一汁一菜と定めた領主の厳しい倹約令を巧みに潜り抜けたのが発祥です。山と海に恵まれた岡山の豊かな食材が盛り込まれた豪華な寿司は庶民の反骨精神と知恵の賜物と言えるでしょう。

島根県 箱寿司

角形の木枠を使った石見地方に伝わる押し寿司の一種。酢飯の間に野菜(椎茸やかんぴょう、にんじん)を揚げ物などで挟み、さらに薄い板を間に入れ、それを何層にも重ね、上から押して切り分け、最後に錦糸卵や青葉で彩ります。

山口県 岩国寿司

押し寿司の一種で別名「殿様寿司」と言われ、豪華な見た目と四角い形に特徴があります。一度に十人前作れる大きな木枠を使い、蓋の上に人が乗って押す大型の箱寿司。

香川県 カンカン寿司

木枠を用いた押し寿司です。ふんだんな具材と酢飯を木枠に詰め、木枠を締めて作ります。その際、木槌で打ち込むカーンカーンと言う音からついた名前だとか。昔は保存食として重宝され、特別な日のご馳走として出されていました。

徳島県 ボウゼの姿寿司

丸々一匹の魚と特産のスダチを使って爽やかに仕上げた郷土寿司。ボウゼはイボダイのこと。秋祭りには欠かせない寿司で、酢につけたボウゼは、ゆずの酢を加えたすし飯にのせて形を整えます。

九州・沖縄の郷土寿司

九州・沖縄の郷土寿司

江戸から遠く離れた九州・沖縄は、南方文化や大陸文化の影響を受けているところに特徴があります。酢ではなく酒を使う寿司など種類も豊富。暖かい気候の影響もあり、味付けは関西や関東より甘口に仕上がっています。

熊本県 南関あげ巻きずし

熊本県北部で作られる南関あげという油揚げで巻いた巻き寿司。椎茸、かんぴょう、ほうれん草、厚焼き玉子などを入れます。美しい見た目と独特な風味に特徴があります。

大分県 茶台すし

シャリの上と下の両方にネタがある伝統的おもてなし料理。下のネタを茶托に見立ててこの名がつきました。江戸時代に質素倹約のため、野菜などの身近な具材を使って作られていました。野菜の彩りが美しい大分ならではの郷土寿司です

鹿児島県 酒すし

「灰汁持ち酒」と呼ばれる甘口で独特の風味を持つ酒を酢の代わりに使ったとても贅沢で手の込んだ寿司。専用の桶に酒を振りかけながらご飯と具を交互に重ねて作ります。お酒が苦手な人は抵抗感があるかもしれませんが、鹿児島に寄った際は是非とも味わっていただきたい一品です。

沖縄県 大東寿司

八丈島からの開拓移民が多い大東島などでなどで見られる寿司で、八丈島の郷土寿司である島寿司がルーツになっているといわれています。大東寿司の特徴は特製ダレに漬け込んだマグロ、かじき、さわらなどの寿司ネタ、砂糖で少し甘みを加えた酢飯で、わさびではなく和からしを使うのが基本。甘酸っぱいシャリと特製ダレが合わさった独特な味が魅力です。

全国には様々な伝統ある寿司がたくさん!

いかがでしょうか。元々、寿司は保存食であるとともに、魚や米、多彩な具材を惜しみなく使う、晴れの日や祝い事の際に食べる料理でした。身近な郷土食を探すのも良いですし、地方色豊かな郷土寿司を味わう旅にでかけてみるのも良いかもしれませんね。

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