備料(前置作業)
【讀音】したしごと
【英文名】Preliminary Preparation
下仕事とは、寿司店においてネタを握りや盛り付けに使える状態にするための事前準備作業の総称である。「下拵え(したごしらえ)」とも呼ばれ、素材の持ち味を引き出すために欠かせない工程とされている。
具体的な作業内容は素材によって異なるが、魚介類の場合はうろこ引き·内臓の除去·三枚おろしといった基本処理から始まる。光り物(コハダやアジなど)では塩と酢で〆る「酢〆(すじめ)」が代表的な下仕事であり、塩の量や漬け時間は職人の経験と素材の状態によって調整される。白身魚では昆布で挟んで旨味を移す「昆布〆」が行われることも多い。
エビは茹でてから殻を剥き、腹側に包丁を入れて開く作業が必要となる。穴子は開いてぬめりを取り、煮穴子に仕立てるまでが下仕事に含まれる。玉子焼きの仕込みや、ガリ(生姜の甘酢漬け)の準備なども広い意味での下仕事である。
寿司職人の世界では「仕事をする」という表現があり、これは素材にひと手間加えることを指す。江戸前寿司の伝統では、冷蔵技術がなかった時代に保存性を高める目的で発達した技法が多く、現在でも風味向上のために受け継がれている。下仕事の丁寧さが寿司の完成度を大きく左右するとされ、営業前の仕込み時間に多くの労力が費やされる。


