うずめ寿司
【よみ】うずめずし
【English Name】Uzume-zushi
うずめ寿司は、島根県鹿足郡津和野町に伝わる郷土料理の一種で、「うずめ飯」とも密接な関係を持つ。椀や器に盛った飯の下に具材を隠すように仕込むのが特徴で、名称は「埋める(うずめる)」という動詞に由来すると伝えられている。
津和野は島根県南西部の山間盆地に広がる城下町で、小京都として全国に知られている。地元ではワサビが特産品として栽培されており、うずめ寿司の薬味にも取り入れられている。具材には豆腐、椎茸、山菜、かまぼこなどが使われ、一見すると白飯だけに見える控えめな盛り付けが独特である。
この「具を隠す」スタイルには、質素倹約を重んじた武家社会の名残とする説や、贅沢を慎む風習が背景にあるとの言い伝えがある。津和野はかつて津和野藩亀井氏の城下町であり、こうした食文化が根付いていった歴史的な土壌があった。
津和野の食文化は多彩で、うずめ飯のほか津和野寿司やいなり寿司なども広く知られており、地場のアユやワサビ、山菜をふんだんに取り入れた料理の数々が現代まで脈々と受け継がれている。


