中国に広がる寿司人気、回転寿司からOMAKASEまで
中国の飲食文化の歴史は長い。
その多様性と深さは、数多くの美食家を虜にし、国内外からの観光客を惹きつけてきた。
近年、この伝統的な食文化に新たなトレンドが現れている。
それが、日本生まれの「寿司」だ。
かつて中国人は生食を避ける傾向があったが、健康的な日本料理のブームや中流階級層の急増により、手頃な価格で自宅近くで味わえる寿司にますます関心が集まっている。
中国のショッピングモールにある寿司チェーン店は、本格的な寿司レストランに比べて低価格であるため、幅広い客層が訪れている。
また、回転寿司の人気は、日本人が最も多い海外都市である上海でも高まっており、日本の大手回転寿司チェーンも進出している。
寿司チェーン店ではオペレーションを目の前で行ったり、高級なお店の場合は食材は日本産のものを使用したりするなど、サービス面でも中国人の好みに合わせている。
中国に訪れる高級寿司ブームOMAKASE
中国の寿司ブームは手頃な価格の寿司チェーン店が人気を博している一方で、おまかせスタイルの高級寿司「OMAKASE」が大ブームとなっている。
OMAKASEはメニューがなく、寿司職人が季節の食材にもとづいて当日の料理を決めるスタイルだ。
価格は都市や店によって異なり、地方都市では1人あたり約500元程度から始まる場合もあるが、一般的には大都市の寿司店では高額であり、価格は1人あたり2000元(2023年6月8日現在、4万円ほど)にも達する。
このように高価な料理にも関わらず、中国の所得向上と共にOMAKASEの人気は非常に高まっている。
また、多くの食材が日本から空輸されるためにコストが高くなるが、OMAKASEは店側がメニューを決めることができるため、余った食材を減らすことができ、無駄が少ないのも店側のメリットの一つと言われている。
中国市場における寿司ブームとビジネスチャンス
中国の寿司屋や日本料理店の約40%は上海やその周辺の東部地域、広東省などの南部地域に集中している。
また、四川省や重慶市などの中国政府が経済成長に力を入れている地域でも市場は拡大しており、日本企業もこの寿司ブームに注目している。
中国の飲食市場は急速に変化しており、近年のトレンドとして浮かび上がっている寿司。
回転寿司の普及から高級寿司「OMAKASE」のブームまで、これらの動きは中国の中流階級の増加と食に対する意識の高まりを象徴している。
また、それは中国市場における新たなビジネスチャンスを示している。
これから中国の寿司ブームは中国人の所得増加とともにさらに高まると推測されるが、中国の寿司業界の発展によって日本の飲食業界も含めた多くの企業が、新たなビジネスチャンスを見つけ出すことになるだろう。