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外国人に人気の寿司ネタランキングと海外の寿司事情

寿司検定

日本食にはたくさんの種類がありますが、寿司はその中でも ダントツで人気が高く、近隣のアジアをはじめ、北南米、ヨーロッパなど全世界で食されています。
どんな寿司ネタが好まれているのかは国によって様々ですが、日本とはちょっと違う傾向があります。

コロナも終息に向かい、日本に訪れた外国人を寿司でもてなしたい!と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は海外では寿司がどんな風に愛されているのか、海外の寿司事情とともに外国人に人気の寿司ネタランキングをご紹介します。

海外での寿司事情を詳しく知り、今まで以上に寿司を楽しんでみましょう!

海外の寿司事情

海外の寿司事情

変化する各国の寿司の提供スタイル

世界各国で親しまれている寿司ですが、年々人気が高まり、様々な形態で提供されるようになっています。

寿司を専門に扱う寿司レストランだけでなく、今ままでは日本だけでみられた回転寿司も海外で多く見られるようになりました。
近年ではスーパーの総菜売り場、寿司専門のデリバリーなど、現地の生活に溶け込んで販売業態が多様化しているのです。

また、寿司を扱う店の数自体も増えてきています。たとえばフランスでは、寿司はすでにファストフードと同じくらい浸透しており、フランス発の「SUSHI SHOP」などのチェーンは大手ハンバーガーチェーンと並ぶ店舗数を誇っています。

その数はなんと1,500軒以上!この数を見るだけでも、寿司が国を問わず多くの人々に愛されていることがわかりますね!

ハンバーガーのような海外の寿司
ハンバーガーのような海外の寿司

海外では創作寿司や彩り豊かな寿司が人気!

海外でも握り寿司は食されていますが、握り以外の創作寿司が圧倒的に多いのが、日本にはない海外寿司の特徴です。

特に欧米圏はその傾向が顕著で、フランスでは、もはや小さなフランス料理と化していたり、スペインでは具材にマンゴー、イチゴなどのスイーツをシャリで巻いた「フルーツ寿司」、ルーマニアではチョコレートをシャリで巻いた「スイーツ寿司」などが好評を博し、ブラジル・チリなどの南米では、裏巻きの全面にパン粉をまぶして油で揚げたものまでが売られているなど、実に多様です。

一方で、中国、台湾、韓国などの日本に近い東アジアでは比較的日本に近いのが特徴ですが、それでも日本よりやや派手な色合いのものが好まれる傾向にあります。また、インドネシアやベトナムなど東南アジアになると、スシロールなどの創作寿司の割合が増えていき、色合いもだんだん派手になっていきます。

国ごとによって食の好みに合わせたオリジナリティ豊かなスタイルで楽しまれているのですが、日本でも地域毎に多種多様な寿司が生まれたことを考えると、それがグローバル単位で起きてる現在は実に興味深い状況ですね。

欧米や東南アジアで人気のレインボーロール
欧米や東南アジアで人気のレインボーロール

外国人に人気の寿司ネタランキングBEST10

それでは今度は海外で人気の寿司ネタをランキング形式で見てみましょう!
本ランキングは長く世界中の寿司を食してきた寿司ウォーカーの編集者が実際に多くの外国人にインタビューした結果やジェトロや博報堂の調査にもとづいて作成したものです。

なお、外国人といっても地域によってその趣向はだいぶ異なり、特に欧米と東アジアだとかなり違ってきます。
今回はそうした事情をふまえながらも、対象国を中国、香港、台湾、ベトナム、インドネシア、韓国、米国、フランス、イタリアなどの日本と関係の深い国を調査対象にし、総合的なランキングにしました。

1位 サーモン

寿司ウォーカーで行った「1000人の女性が選ぶ!回転寿司の寿司ネタランキング」でも圧倒的一位に輝いたサーモンですが、海外でも日本以上の圧倒的すぎるほど人気の寿司ネタです、

アメリカ、ロシア、中国、台湾、ベトナム、ブラジル、フランスなど、東西を問わずに様々な国で大人気で、「寿司は食べれないけど、サーモンは食べれる」という日本人からすると不思議な外国人もよく出会います。

魚の臭みが少ないため食べやすく、脂が乗っていて甘味のある濃厚な味わいなのが好まれているようです。握り寿司はもちろんのこと、海外全般で人気の巻き寿司の具材としても用いられており、楽しみ方はオールマイティー!アレンジの豊富さも人気の理由の一つです。

 

2位 スシロール(裏巻き寿司)

裏巻き寿司は海外では寿司ロールとして知られ、特に欧米圏では、握り寿司よりも寿司ロールの方が寿司として認知されてる傾向にあります。
黒い海苔が苦手な欧米人のために海苔を内側にしたことが始まりといわれ、日本で知られる太巻きや細巻きとは違い、シャリを外側にして巻いており、カルフォルニアロールやレインボーロール、スパイシーツナロールなどが有名です。

基本的に外見が色彩豊かで派手なものが多く、ゴマや色みの明るいとびこなどで装飾されることが多く、中の具材にはアボカドやチーズ、マヨネーズが入ることもよくあります。
特に生ものや海苔が苦手な傾向にあるアメリカやイタリア、チリ、ドイツなどの欧米・南米圏で強く支持されており、握り寿司よりもカジュアルに親しまれており、寿司ロールの種類が握り寿司よりも多い寿司レストランもよく見かけます。

3位 マグロ

サーモンに次いで好まれている握り寿司がマグロです。
日本人に馴染み深い赤身よりも、脂が乗っていてうまみの強い中トロや大トロに人気があるようです。
フランスやアメリカなどの欧米よりも、中国、台湾、韓国、ベトナムといったアジアで人気が高く、高級な寿司ネタとして一定の地位を得ています。

ただし、鮮度の高いマグロを手に入れることが難しいとされるブラジルや、生食文化が定着していないマレーシアではあまり人気ではないようです。
海外では日本ほどマグロの種類が豊富な国は少ないので、まぐろの本当の旨さがあまり伝わってないのかもしれないですね。

4位 エビ

エビは、エビ漁が盛んなタイやベトナムをはじめ、アメリカやフランスなどの多くの国で食べられており、もちろん寿司ネタとしても親しまれています。

日本では生エビや赤エビなども人気ですが、特に生食文化の浸透度が低いアメリカやフランスでは生のままではなく蒸しエビが基本です。また、蒸しエビにアボカドやマヨネーズなどをあわせたたアレンジ寿司も人気があります。

アジアではエビ推しの外国人は多くないですが、欧米を含めるとランキング上位に上がる寿司ネタです。

5位 イクラ

その華やかな見た目と美味しさから日本で大人気のいくらは海外でも大人気の寿司ネタの一つです。
食べ方は、やはり定番の軍艦巻きですが、トビコと並んで豪華な見た目を演出する装飾としてもよく使われます。

キャビアなどの魚卵に馴染みのあるフランスでは、ベーシックな寿司ネタの一つとしてイクラもラインナップされています。親魚であるサーモンからとって、サーモンのキャビアという呼び方もあるそう。

但し、北欧・北米の一部では魚卵は敬遠されがちのようで、好き嫌いは分かれるネタのようです。ちなみにイクラの語源はロシア語なので、ロシアでも人気のある寿司ネタです! 

 

6位 ホタテ

ホタテは、握り寿司として楽しむだけではなく、巻き寿司の具材としても親しまれています。
たとえばカナダの寿司屋では、ホタテとマヨネーズをシャリで巻いた「ビューティフルロール」という寿司ロールが人気です。

他にもアメリカやフランスではホタテが獲れることもあり、多くの寿司屋さんで取り扱っているようです。
中国や台湾でもホタテは人気の食材で、あぶりホタテの寿司は回転寿司でも人気のネタですが、置いている寿司レストランが少ないなどの事情から、認知度は他の上位の寿司ネタより下がっています。

7位 タコ

タコも海外の寿司レストランで人気の寿司ネタの一つ。
タコはカルパッチョなどの料理にも使われ、特にイタリア、アジア、中南米、ギリシャ、スペインなどでも好んで食されており、外国人にも親しみやすい食材です。

海外では生タコよりもボイルしたタコが用いられ、海苔で巻かれて提供されることが多くあります。
一部の国では宗教的理由でタコを避ける人もいますが、その独特の食感と味わいから世界中で愛され、多くの寿司レストランで取り扱われている人気の寿司ネタです。

8位 タイ

タイも多くの国で愛されている寿司ネタです。
例えばフランスでは人気の寿司ネタTOP4にはいるほど。他には自国でも食べる習慣のある韓国や、カルパッチョなどの生食の習慣のあるイタリアはやはり寿司でも親しまれています。

たんぱくな味わいのタイは巻き寿司よりも握り寿司で食されることが多いようです。
但し、アジアや東南アジアではあまり多くない寿司ネタですので、欧米とアジア圏では人気に差があります

9位 いか

イカ寿司は外国でよく見かける寿司ネタの一つです。イカは多くの国で獲れるため、寿司ネタとして選ばれやすいことが理由となっています。ただし、イカの見た目や独特の食感に抵抗感を持つ外国人も存在するため、必ずしも全員に受け入れられるとは限りません。

それでも、イカは元々様々な料理で使われていることから、外国人にも親しみやすく、寿司としても受け入れられやすい食材であるため、イカ寿司は多くの国で寿司のバリエーションの一つとして人気の寿司ネタとなっています。

10位 ウニ

海外、特に欧米圏では好みが大きく二極化する寿司ネタとして扱われているウニ。ギリシャ、イタリア、アメリカ、フランスなどではウニが獲れるので、日本と同様に軍艦巻きにして食されています。

オーストラリアでも質の良いウニが獲れるのですが、生の魚介類を食べる習慣がないため、そのまま食べるのは苦手という人が多く、寿司にもニーズがないよう。また独特の風味や匂いが受け入れられないと、インドネシアやアメリカなどの一部では逆に人気がないとか。

世界の食文化と融合するSUSHI、寿司は海外で進化し続ける!

今回は、海外で人気の寿司ネタランキングや海外の寿司事情についてご紹介してきました。
一口に寿司といっても、国によって生魚を食べる習慣がなかったり、現地の食文化によって好みに違いがあるため、扱う寿司ネタにも多様性が出てきます。

また、独自のアレンジも加わって、むしろ日本よりもバラエティー豊かなラインナップになっている一面もあります。
各国の食文化をベースに創意工夫して、オリジナリティ豊かな寿司を提供しているのですね。

いつも目にする日本の寿司とは異なる部分も多く違和感がある部分もありますが、それは寿司が世界で新しい食文化として浸透しはじめている証でもあります。
進化し続ける海外の寿司。ぜひ海外旅行に行った際に出会うことがあれば是非チャレンジしてみてくださいね。

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