かんぴょう巻きとは? 巻き寿司の定番・かんぴょう巻きの基本とおすすめのお店
寿司屋だけでなく、家庭やお弁当屋さんでも古くから親しまれているのが巻き寿司。巻き寿司には色々な種類がありますが、よく知られた巻き寿司のひとつが「かんぴょう巻き」です。
今回はかんぴょう巻きにまつわる基本的な知識や、かんぴょう巻きが食べられる美味しいお店をご紹介したいと思います!
かんぴょう巻きとは?
かんぴょう(干瓢)は、ウリ科の夕顔という果実を細長く剥いて乾燥させた物で、水で戻して寿司や煮物などに使います。かんぴょう巻きとはその名の通り、かんぴょうを海苔とシャリで巻いたもので、一般的に細巻きで提供することが多い巻き寿司の一種です。
かんぴょうは、水で戻してから水煮にするのが一般的で、水煮の際に醤油と砂糖などを入れて味付けします。この味付けが寿司屋に変わってくるため、昔はかんぴょう巻きの味によって、その店の良し悪しや職人の腕が分かるとも言われました。
江戸時代から親しまれている伝統的な巻き寿司ですが、巻かれた姿が鉄砲に似ていることから「鉄砲巻き」と呼ばれることもあり、かんぴょうの主な取引地が大阪の木津市場だったことから、寿司屋の符牒(業界用語)で「木津」と呼ばれることもあります。
なお、かんぴょうは低カロリーですが、カルシウムやカリウム、リン、鉄などの栄養成分や食物繊維が多く含まれていて、栄養豊富という嬉しい一面も持ち合わせています。
かんぴょう巻きの歴史
江戸前寿司の定番の一つとしても知られる巻き寿司ですが、その歴史は握り寿司よりも古く、ルーツは発酵寿司の一種の棒寿司と考えられており、現代の形に近い巻き寿司は江戸時代の資料などから1750~1776年くらいから始まったと考えられています。
かんぴょう巻きについては、1810年に発刊された江戸時代の百科事典ともいえる守貞漫稿 (もりさだまんこう)で、かんぴょうの細巻きとして登場しており、およそ18世紀後半くらいまでには庶民の食生活に定着していたといえます。
さまざまな庶民文化が花開き、食環境もそれにあわせて大きな変化を遂げた江戸時代。かんぴょう巻きは庶民の食生活に彩りを添える存在でした。
守貞謾稿 後集巻1
かんぴょう巻きの食べ方
マグロを巻いた鉄火巻きなどでは、断面が四角くなるように巻き、一本を六つに切りますが、かんぴょう巻きは、丸くなるように巻き、四つに切るのが慣例です。四つ切りくらいの大きさがが、細長いかんぴょうをしっかり味わうことができるからです。
また、寿司屋でかんぴょう巻きを頼むと、時々「ワサビはいれますか?」と聞かれることがあります。はじめて聞く方は、かんぴょう巻きにワサビなんて合わないのではと思われるかもしれません。
しかし、実際に食べてみるとワサビの刺激が、かんぴょうの甘みをほどよく引き立ててくれ、何とも言えないおいしさがあります。まだ食べたことがない人は、一度試してみるのもいいかもしれませんね。
美味しいかんぴょう巻きが食べられるお店3選!
かんぴょう巻きは自宅でも食べることができますが、本格的なお寿司屋さんのかんぴょう巻きを食べたい!という方へオススメの美味しいかんぴょう巻きが食べられるお店をご紹介します。
浅草志乃多寿司 (あさくさしのだずし)
最初にご紹介するのが、浅草の路地の一角に佇む「浅草志乃多寿司(あさくさしのだずし)」。
大もとである「人形町志乃多寿司総本店」は、なんと明治10年創業の老舗寿司屋。後々になっていくつかに暖簾分けされ、そのうちのひとつが現在浅草に店を構えています。
「浅草志乃多寿司(あさくさしのだずし)」は「いなり寿司」と「かんぴょう巻き」のみの持ち帰り専門店です。「いなり寿司」と「かんぴょう巻き」がセットになったもの、またバラバラになったものを選ぶことができます。
シンプルながらも洗練された味わいが評判で、この店のかんぴょう巻きを食べるためにわざわざ立ち寄ってしまう人も多いのだとか。
完売次第で終了になってしまうので、確実に食べたい場合は早めの訪問がオススメです。
浅草志乃多寿司
電話番号:03-3844-1795
住所:東京都台東区雷門1-1-10
地図:https://goo.gl/maps/21yFw4Xtzs8mKgNC9
営業時間: AM9:00~PM5:00(閉店時間が早まることがあります)、日曜営業
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)
予算:[夜]¥1000 [ランチ]¥1000
ホームページ:http://www.bentenyama-miyakosushi.com/ja/
※訪問前に最新情報をお店にご確認ください。
「神田よしかめ」(東京都)
次のおすすめが、神田駅横のアーケードにある「神田よしかめ」。
創業70年になる老舗で、豊洲市場で毎日仕入れる新鮮な食材だけでなく、江戸前仕込みの巻き寿司も目玉の一つです。
十種類を超える巻き物が1本300円から食べられ、その食べやすさからひとつ食べるとついつい食べる手が止まらなくなってしまうともっぱらの評判。
巻き寿司以外の品揃えも豊富で、巻物と一緒に地酒なども楽しむことができます。美味しいかんぴょう巻きは勿論のこと、一人でちょっとした贅沢に訪れたり、飲んだあとにふらっと立ち寄ったりと、場面ごとに合わせて利用しやすいオススメのお店です。
神田よしかめ
電話番号:03-3251-4372
住所:東京都千代田区鍛冶町2-13-22
地図:https://goo.gl/maps/iZpa1kFD8vRzAWHU7
営業時間:
・ランチ(コロナ渦時期のみの可能性があります) [火~金](月は休み) 11:30~14:00
・夜 [月~金] 17:00~翌1:00(L.O.翌0:30) [土] 17:00~22:00
定休日:日曜日
予算:[夜]¥1000~2000 [ランチ]¥7000~9000
ホームページ:http://www.kandayoshikame.com/
※訪問前に最新情報をお店にご確認ください。
「鮨処(すしどころ)よし田」(愛知県)
最後に紹介するのは、愛知県豊田市の保見駅近くの「鮨処(すしどころ)よし田」。線路の高架下にあり、一見庶民的なお店ですが、「ミシュランガイド東海版・愛知(名古屋)2019」にも掲載され、愛知県で人気の寿司店として知られています。
気軽に入りやすい大衆的な雰囲気の寿司屋ながらも、提供されるのは本格的な江戸前寿司。鮮度の高い寿司ネタと共に絶品のかんぴょう巻きを食べることができ、ワサビ入りのかんぴょう巻きは思わず感動してしまう程の美味しさと評判です。
地元の人から永く愛され、お手頃な価格で本格江戸前寿司が食べられるので、コストパフォーマンスがかなり高いと評判の愛知県豊田市一推しの寿司店です。
鮨処(すしどころ)よし田
電話番号:0565-48-5113
住所:愛知県豊田市東保見町大門70-5
地図:https://goo.gl/maps/x84aNCrsfVdihGF49
営業時間:11時30分~14時、17時~22時、日曜営業
定休日:木曜日(木曜を含めた不定期の連休あり)
予算:[夜]¥1000~2000 [ランチ]¥5000~8000
ホームページ:https://tabelog.com/aichi/A2305/A230501/23014898/
※訪問前に最新情報をお店にご確認ください。
シンプルだが、奥の深いかんぴょう巻き
いかがでしたか。一見シンプルな「かんぴょう巻き」ですが、非常に伝統があり、知れば知るほど奥深く味わい深い一品です。
機会があれば、ぜひおすすめのおすすめのお店にも足を運んで、美味しいかんぴょう巻きを食べてみてくださいね!