マイスター工房八千代という名を聞いたことがあるでしょうか？
知る人ぞ知る、巻き寿司が大人気のお店なんです！

巻き寿司なんてどれも同じと思うなかれ。予約がないと食べられないくらい人気があるおいしさなんです。でもこのお店、ちょっと変わった生い立ちがあるんですよ。
今回はそんなマイスター工房八千代と、名物の巻き寿司を紹介します。

マイスター工房八千代とは？

マスコミで何度も取り上げられた、予約でも数か月待ちする巻き寿司が人気のお店で、兵庫県の中央部、多可町八千代にあります。北播磨と呼ばれる地域で、山の中にあるため決して賑やかなところではありませんが、わざわざ巻き寿司を目当てに、多くの人が遠くから買いに来るほどの人気店なんです。

もともとは、地域の野菜で漬物などを作っていた地元の女性たちが、「お年寄りが集まってお茶を飲む場所を提供したい」と考え、喫茶室を作ったことがきっかけになりました。その喫茶室で作る巻き寿司が次第に評判になっていったんです。

マイスター工房八千代のホームページにも「ようこそ田舎のコンビニへ」と書いてあるように、代表の藤原さんは、コンビニがない地域なのでコンビニのようなお店を作りたい、と考えていたそうです。田舎にマッチしながらも便利でみんなが集まれる場所、それが評判となって「農村コンビニ」として新聞に載ることになり、やがて民法テレビ局が取材に来るほどに。それからは、日を追うごとに日本全国に知られるようになりました。

メニューと名物巻き寿司

マイスター工房八千代のメニューにはキノコ佃煮、キノコ辛子漬、山里コロッケ、おはぎ、ドーナツ、おかきなど、季節ごとにいろんな地域のメニューがありますが、人気なのは巻寿司や鯖寿司です。
そのなかでも特に大人気といえば、巻き寿司の「天船（あまふね）巻きずし」。

１本１本、地元のお母さんたちが、手作りで作っています。夜中のうちからご飯を炊くなどして仕込みを始め、平日でも１０００本以上、休みの日には１７００本以上が午前中のうちに売れてしまうほどの人気ぶりです。

天船巻きずしには、卵焼き、きゅうり、かんぴょう、しいたけ、高野豆腐が入っています。地元の食材にこだわっているため、米も兵庫産という一途さ。高野豆腐の煮汁がジュワっと染み出るほどのジューシーさで、決して甘ったるくなく、半身も使っているきゅうりが口の中をサッパリしてくれます。

柔らかい食感の中に、存在感のあるきゅうりが歯ごたえの変化をもたらしてくれることもあり、飽きずに何回でも食べたくなります。この絶妙さが魅力なんですね。海鮮巻きのような派手さはありませんが、素朴な味わいが食べる人をホッとさせてくれます。噛みきりやすいように海苔を工夫するなど、食べる人のことを考えながら、地元の名産を無駄にしない取り組みも怠りません。

また、きゅうりは、みずみずしい部分を巻き寿司に使い、固い皮の部分はジャムなどに加工し、食材を無駄にしない努力もしています。余った部分もなんとかしておいしく加工して使い切る。それは、出汁をとった昆布でふりかけを作ってくれた、母親の工夫と重なるようです。お母さんの心遣いのような温かい「心」が生み出す巻き寿司だからこそ、多くの人の舌を虜にするのでしょう。

運が良ければ当日行っても買えますが、午前中で売り切れてしまうことが多いようです。大人気の天船巻きずしを確実に食べたい場合は、前日までに予約すると良いでしょう。

マイスター工房八千代の寿司の値段

さて、気になるマイスター工房八千代の寿司の値段ですが、「天船（あまふね）巻きずし」は2019年ごろは１本７００円でしたが2021年には１本８００円になっています。

また、同じく人気の鯖寿司は、内容によって値段が変わって、「背・腹」は１２００円、「特」が１５００円、「大」が１７００円です。

この他にも「鮭ずし」１３００円、「穴きゅう巻」７５０円があるほか、ちょっと変わった「チョイワルおやじ巻」７５０円、「昔おとめの播都恋（はつこい）巻」７５０円、「昔おとめの櫛恋（しつれん）巻７５０円などもあります。

値段は全部税込みですが、変わることがあるので、買いに行くときは事前にお店に直接確認してみてくださいね。

心を揺さぶる地域のメニューがたくさん！

地元を愛する人が始めた事業は、継続していくのが難しい場合が多々ありますが、マイスター工房八千代は日を追うごとに活性化していく一方です。
節分の時は１日で１８００本売り上げたという巻き寿司の他にも、地域や季節のおいしいメニューがたくさんあるので、旅行などで近くへ行ったらぜひ味わってみてくださいね。

マイスター工房八千代

住所：兵庫県多可郡多可町八千代区中村46-1
電話：0795-30-5516
ホームページ：http://www.hari-hari.com/sg-meister.html
アクセス：中国縦貫自動車道　滝野・社インターチェンジ又は加西インターチェンジから約40分
定休日：月・火・水
営業時間：9:00～16:00（特産品売店）　8:30～16:00（喫茶室）
※予約販売のみ取り扱いの日もあります。また、営業時間や休日が変わる可能性があるため、行く前に電話で確認するのがおすすめです。なお、通信販売は行っていません。