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外国人が好きな寿司ネタ・ランキング―欧米編

巻き寿司を食べる人たち

寿司検定

今や全世界で愛されるようになった日本の寿司。「SUSHI」として世界各国で広まり、各国ごとに独特な寿司ネタが現れるほどになっています。日本語をほとんど知らない外国人が、「SUSHI」という言葉だけは知っているくらい、日本の寿司は人気があります。

今回はそんな欧米で人気の寿司ネタをランキング形式で紹介します。
欧米にあるレシピは味が濃く、火を通したものが多いようです。加熱していない生の食材を扱う寿司ネタに対して欧米人がどんな反応を示すのか気になるところですね。

ではさっそく、欧米の人々が好きな寿司ネタ・ランキングを見てみましょう。

欧米人が好きな寿司ネタTOP5

第5位:ほたて

食べ慣れない料理に手を出すときに、慣れ親しんだ食材から入る人は多いでしょう。肉厚で食べごたえのあるほたては、欧米でも馴染みの食材です。ソテーやムニエルといったレシピに、ほたてがよく使われ、特にヨーロッパでは、豊穣のシンボル食材として古くから重宝されています。

過去には「ほたて戦争」と呼ばれた争いがあったほど、ほたてはフランスでもよく使われる食材。貝柱付近や他の部分との食感が楽しめるだけでなく、クセや臭みが少なく淡白な味わいに寿司ネタとしても人気があるようです。

生の食材がどうしても苦手という方もいますが、もともと加熱レシピが多いほたてですから、炙りで楽しむこともできます。お店によっては、季節に合わせた旬の薬味をかけてあるものも多いので、彩りの美しさに喜ぶ欧米人も多いようです。

ほたて貝寿司

第4位:えび

ほたてと同じく、えびも欧米人の食卓で出される食材の一つですね。オマールえびやロブスターなど高級食材としても知られており、欧米人もえびには手が出しやすいようです。

独特の匂いを敬遠して好まない人もいますが、新鮮なうちに下処理をして提供している寿司ネタのえびは、臭みもなく甘みがあることで人気です。あまり生臭さを感じないだけでなく、殻を外してあることから食べやすいということも理由になっているかもしれません。

加熱してあるえびレシピも多い欧米ですから蒸しえび寿司は人気です。また、生の甘えびも独特の甘さや柔らかな感触が口の中で広がって好きになる欧米人が多いようです。

えび寿司

第3位:巻き寿司

東アジアと比較して最も相違が出たのが、巻き寿司の上位ランクイン。日本での寿司ネタ人気ランキング上位は、トロやえんがわといった寿司ネタが挙がるのに対し、巻き寿司が上位というのは面白いですね。

日本に逆輸入されているカリフォルニアロールで知られるように、欧米の巻き寿司自身が、日本の巻き寿司とは様々な点で異なっています。「裏巻き」と呼ばれる海苔が内側に巻かれている巻き寿司が多いのです。これは欧米人が海苔に馴染みがなく、真っ黒な姿を敬遠したこと対する対応というの通説です。

他にも、ネタは魚だけでなく、ベジタリアンでも食べやすいように野菜だけ巻いた巻き寿司があります。また、油で揚げて、ソースをつけて食べるという巻き寿司まであります。バリエーションの豊かさや食べ方の発想に驚かされますね。
独自のスタイルをもっているほど巻き寿司好きな欧米人は多く、寿司の本場である日本スタイルの巻き寿司に強い関心を持っているようです。

カリフォルニアロール

第2位:まぐろ

寿司の定番ネタといえばマグロですが、そこは欧米でも変わらないようです。実は大間のマグロなど、日本ではマグロ漁獲は日本近郊のイメージがありますが、欧米周辺で取れるマグロも多く、欧米人にも親しみがある食材です。

現地レシピではソテーやフライといった加熱したものが多いですが、ハワイの郷土料理でも知られるポキ(生のまぐろの切り身をこまかくカットしてタレをからめたもの)やタルタル(生のまぐろと様々な食材を和えたもの)といったレシピも人気があります。

アメリカでは特に赤身を好み、そのヘルシーさが人気の秘密のようです。日本の寿司ネタで、脂がのったまぐろの旨味やコクに改めて衝撃をうける欧米人は多いようですが、トロやヅケの美味しさにはまったという欧米人の声もネット上でしばしば書かれています。

第1位:サーモン

1990年代後半あたりから、女性や子供たちからサーモンを支持する声が増え、日本でも家族で利用する回転寿司の人気ネタとしてトップになりました。アジアでもサーモン寿司の人気は非常に高く、他の生魚の寿司は食べれないけど、サーモンは食べれるという声も聞くほど。サーモンは全世界で最も愛されている寿司ネタといっていい人気ですが、欧米でも人気No.1です。

食べやすい点はもちろん、欧米諸国がサーモン漁獲量のトップを占めているところも影響しているのでしょう。

寿司の食べ方として、シャリの上にサーモンがのっているシンプルなものも人気ですが、欧米では海苔のようにサーモンで巻いた巻きずしにソースがかかっているものも多いようです。

サーモン寿司

惜しくもランク外となったネタは・・・

ランク外で最も興味深い結果が出たのは、ブリ(はまち)。アメリカでは、えびに次いで多く食べられている一方、フランスやイタリアでは食べる人が少ないため人気票としては数が伸びないようです。鯛や鱈は漁獲が多いため寿司として食べられているようですが、普段は扱うことが少ない食材であるブリはランク外に。

また、見た目がグロテスクなタコは欧米の方にとって「悪魔の生き物」として忌避しやすい寿司ネタ。地中海地方の国では、アヒージョやカルパッチョなどでタコが多く食べられていますが、タコだけは苦手だという欧米人が多いようです。そのため、他の地域と比べて寿司ネタのタコ人気は低い傾向にあります。

他にも、日本では人気が高いウニやいくらも、魚介類の中から取り出した小さなつぶつぶを食べるということに抵抗を感じる声がネットで多く見られます。国の文化や歴史で食材の捉え方大きく変わります。

まとめ

今回は欧米人が好きな寿司ネタについてランキング形式で紹介しました。
サーモンやマグロなど、定番の寿司ネタは欧米でも人気でしたね。日本で意外だったのは巻き寿司のランクイン。生魚に慣れていない欧米人にとって、巻き寿司は好きな食材と日本スタイルを組み合わせた食べやすい方法なのです。

欧米に行く機会があったら、現地の巻き寿司を食べてみて日本の寿司とどんな違いがあるのか試してみるのもおすすめです。国内では体験できないような、また違った寿司の世界を楽しめるかもしれませんね。

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