極上の寿司屋に行きたい!ミシュラン掲載のおすすめお寿司屋さん5選
ミシュランとは
「3つ星レストラン」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。レストランの魅力を星の数で表し、最高で「3つ星」の評価を与えているのがフランスのミシュラン社から発行されている「ミシュランガイド」です。
ミシュラン社は世界有数のタイヤメーカーです。「タイヤとレストランにどんな関係があるの?」と不思議に思う方もいるかもしれませんね。
ミシュランガイドは1900年、自動車の旅行者に向けて発行されました。本来は郵便局やガソリンスタンドの位置を示す無料ガイドブックで、自動車による旅行を促すことにより、ミシュランが製造するタイヤの販売量を増やす狙いがあったとされています。
1920年代には料理を提供するホテルを独自の基準で評価する試みが始まりました。今では自動車での観光はもちろん、自動車を利用しない観光客や地元の食通に至るまで、さまざまな情報を載せたガイドブックになっています。
掲載されたお店は知名度や地位の向上に繋がるほど影響力があり、東京を対象としたミシュランガイドは2021年版で14回目の発行になります。料理のジャンルを問わず多くの名店が掲載されています。今回はそんなミシュランガイドに載った寿司屋の名店をピックアップして紹介します。極上の寿司を味わいたい方は必見です。
ミシュランガイドに掲載された極上のおすすめ寿司屋
鮨 かねさか 本店
いったんは1つ星に評価を下げたものの、2021年に13年ぶりに2つ星へと返り咲いた江戸前の名店。厳選のネタに赤酢のきいたシャリ、キュッと締まる山葵が三位一体となった握りは、2000年の創業以来、多くのファンに愛されています。
店主の金坂真次さんは市場に通って予約客一人一人の顔を思い浮かべながら魚を仕入れているとのこと。厳選された旬の魚は、ネタを口に入れた際のバランスが緻密に計算され、温度や湿度、熟成の度合いにこだわりながら握っています。
寿司へのこだわりは内装や器にもうかがえます。店内に入ってまず目を引くのは、美しく清潔感のある白木のカウンター。心地よい空間で寿司を堪能できます。器は美食家で陶芸家の北大路魯山人の作品をはじめ、安土桃山時代からの逸品が揃い、握りを華やかに彩ります。
都内の他に大阪、神戸、シンガポールにも店を構え、公式ホームページのオンラインストアでは季節の弁当や海産物を販売しています。本店の価格は「時価」となっていますが、ランチ1万円台、ディナー3万円台が相場のようです。
鮨 すきやばし次郎
日本を代表する世界的名店。2014年4月、アメリカのオバマ大統領(当時)が来日し、安倍晋三首相(同)との夕食会の会場となったことで有名になりました。
創業者の小野次郎さんは寿司業界で「生ける伝説」とも称され、ドキュメンタリー映画が作られるほど。
2007年に日本で初めてのミシュランガイドとして東京版が発行されてから3つ星の評価を獲得し続けましたが、2020年版では「一般客の予約ができなくなった」ことを理由に評価の対象外となりました。しかし、2021年版では再び2つ星となっています。
シャリの特徴は力強い酸味にあります。独特なシャリと捌く際に空気へ触れる時間を極限まで減らしたネタの組み合わせ方が絶妙と評判です。おまかせコースの握り20貫は白身から赤身、貝まで幅広く構成され、特にコハダの美しさを称える声が多く聞かれます。流行にながされない伝統から培った江戸前の味は多くのファンを魅了し続けています。
店内はカウンターが10席。おまかせコースのみで、予算は4万円台が相場になっています。
東麻布天本
予約困難な店として有名な天本が第3位にランクイン。店主の天本正通さんは外苑前の名店「海味」の一番弟子として活躍した後に独立。創業半年でミシュランガイドの2つ星に輝きました。その天本さんの接客対応の丁寧さに好感を覚え、独りで食事に来る客も多いのだとか。
おまかせコースでは、厚いぷりぷりとした新鮮なネタを堪能することができます。その中でも特に注目したいのが「ウニ」。目の前に現れる山盛りのウニは、炙って口に入れた瞬間、ふわっとした風味が鼻に抜ける香ばしさが特徴です。
全国各地の魚介を盛り込んだ「つまみ」も好評。中でも、火入れするつまみの評価は高く、火に燻らせることで藁の香りが漂い、艶やかな舌触りを楽しめる「鰹の藁焼き」はファンの多い逸品です。
席数は8席で、コースは35000円からとなっています。
予約は飲食店予約サイトから受け付けており、常にキャンセル待ちが多い名店中の名店です。
青空
美食の街・銀座に店を構える青空(はるたか)は、一切の妥協を許さず、旬を意識した食材選びと細やかな職人技が光る寿司を提供しています。
硬めに炊いたシャリは米酢と塩の具合が程良く、口の中で解けてしまうほどの食感。ネタは店主である高橋青空さんのこだわりが詰まっており、豊洲の信頼できる業者から仕入れた上質な食材で握る極上の寿司は、来店する人々を唸らせています。季節によって産地を変え、最良のネタを仕入れている「中トロ」は身がしなやかで脂が乗り、酢飯との組み合わせが絶妙な一品。
店主の高橋さんは2006年に33歳の若さで独立した正統派の江戸前鮨職人です。北海道旭川市出身で「鮨屋がかっこよく見えた」ことをきっかけに、札幌の「すし善」でキャリアを始め、「すきやばし次郎」などでも修業を積みました。
凛とした空気が漂う清潔感のある店内は席間も広く、ゆったりと食事ができます。お好みでも注文できますが、多くの来店客はおまかせコースにするようです。おまかせコースの予算は4万円程度となっています。
鮨 よしたけ
2012年のミシュランガイド初掲載から10年。ミシュランが「3つ星(そのために旅行する価値のある卓越した料理)」と評価し続けている名店です。2021年版では寿司店として唯一の3つ星に輝きました。
よしたけは絶大な評価とは裏腹に、銀座8丁目の裏通りに建つ雑居ビル内に、ひっそりと店を構えています。店内に足を踏み入れると、清潔感に溢れた内装と手入れの行き届いた板場が現れ、訪れた人の胸を期待で高鳴らせてくれます。
食材は産地を厳選して、仕込みに長い時間をかけています。米は1度目の研ぎと炊き上げに、アルカリ性の軟水である鹿児島の温泉水を使い、火力を調節しつつ羽釜で炊きあげます。握りは車海老と鮨飯の間に海老味噌を挟むなど、一貫の中に微妙な味のバランスを表現するのが魅力。店主の吉武正博さんは料理人を志した際、父親から「日本の文化を大切にできるものを」と教えられました。江戸前の伝統を重んじる一方、味をさらに高めるために日々研究し、新たな方法を見つけ出すことを信条にしていると語っています。
吉武さんは高校卒業後に銀座やニューヨークの寿司店で修業。2004年、六本木に「すし吉武」を開業します。2009年に銀座へ移転して「鮨よしたけ」と改名しました。その後、香港でも店舗をオープンさせ、香港でも3つ星を獲得しています。
夜間のみの営業で、予約は1か月待ちすることもあるようです。おまかせコースは3万円台となっており、大切な人との特別なディナーを楽しみたい時におすすめです。
まとめ
今回はミシュランガイドに掲載されたお寿司屋さんをピックアップしました。
3つ星や2つ星の店は、どれも素晴らしい名店ばかりでしたね。ガイドではここで紹介していない1つ星のお寿司屋さんも多く掲載されています。
シャリとネタのみの組み合わせで作る寿司は、世界で最もシンプルな料理の一つと言っても良いかも知れません。
しかし、シンプルだからこそ、寿司職人は自身の哲学や心意気、技術を、握りの細部に宿すのでしょう。
もちろん、ここに掲載されたお寿司屋さんだけが極上のお寿司屋さんというわけではありません。ガイドブックに載った星の数やいろんな情報を参考にしながら、好みにあった素敵な寿司屋を探してみるのもいいかもしれませんね。