出世魚(升遷魚)
【讀音】しゅっせうお
【英文名】Shusseuo
体が大きくなる段階ごとに別々の呼び名をもつ魚を指す言葉。武士が元服や出世を重ねるたびに名を変えた江戸期の風習から着想を得て、成長とともに呼び名が移り変わる魚を「出世魚」と呼ぶようになった。
寿司の世界で特に親しまれる出世魚としてはブリ、スズキ、コノシロが挙げられる。なかでもコノシロは寿司ネタとして欠かせない存在で、シンコ(4〜5cm)→コハダ(7〜10cm)→ナカズミ(13cm程度)→コノシロ(15cm以上)と体長に合わせて呼び名が切り替わる。ブリについては、関東でワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西でツバス→ハマチ→メジロ→ブリと、地域ごとに呼称の体系がまるで異なる点も特徴的だ。
こうした名前の使い分けが生まれた背景には、成長が速い魚種では同じ季節に水揚げされた個体でも体格·味·市場価値に明らかな差が出るため、売買の現場で区分けが求められたという実務上の理由がある。
出世を連想させる縁起の良さから祝席の料理に重宝され、寿司でも門出や祝宴の場面で出世魚のネタが選ばれる傾向が強い。なお、マグロも成長に応じて呼び名が移るものの、一般的には出世魚の仲間とは見なされていない。


