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Saba no Hakozushi — Mackerel Box Sushi

【Reading】さばのはこずし

【English Name】Mackerel Box Sushi (Saba Hakozushi)

大阪で独自の進化を遂げた鯖の箱寿司は、押し寿司の代表的な様式のひとつに数えられる。木製の押し枠に酢締め鯖と酢飯を積み重ね、蓋で圧力をかけて形を整える製法が特徴だ。享保13年(1728年)に世に出た料理書『料理網目調味抄』には箱寿司への酢の使用が具体的に書き留められており、江戸前握り寿司の登場より約100年前にさかのぼる寿司文化の源流として高く評価されている。

この寿司の真髄は、加圧の工程に求められる。木型の底に酢締め鯖の切り身を並べ、その上に酢飯を詰めて蓋で均等に押し固める。内部の空気が抜け出す過程で保存性が向上し、時間をかけて飯と具材がなじむにつれ旨みは深みを増す。大阪では「二寸六分の懐石」という別名で親しまれ、芝居小屋での観劇時の幕の内弁当や手土産として、長い歳月にわたって人々に重宝されてきた。

箱寿司の系譜を語るうえでバッテラは欠かせない存在だ。明治24年頃、大阪·南船場の「寿司常」が生み出した料理という説が広く知られており、鯖の上面に薄い白板昆布を載せて押す点が箱寿司と一線を画す。関東大震災を機に握り寿司の波が関西にも押し寄せたものの、箱寿司は大阪の食文化を体現する料理として専門店の看板メニューに今も確固たる地位を保っている。素材には主にマサバが採用され、脂が豊かに乗る秋冬の時期が最も旨みの充実した食べごろとされる。

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