Kanso Jukusei — Dry Aging
【Reading】かんそうじゅくせい
【English Name】Dry Aging
乾燥熟成(ドライエイジング)は、食材を温度·湿度·通気を厳密にコントロールした空間に置き、表面の水分を徐々に飛ばしながら内部変化を進める技法である。おもに牛肉の分野で発展してきた手法で、一般的には0〜3℃の温度帯、75〜85%前後の湿度環境のもと、数週間〜数か月単位の時間をかけて行われる。
熟成が進むと、食材内部では酵素の働きによりたんぱく質がアミノ酸へと変化し、うま味が高まる。また水分が減ることで味わいが濃く凝縮され、ナッツを思わせる芳醇な香りが生まれることも知られている。食感も繊維がほぐれてやわらかさを増すが、乾いた外側は切り落とす必要があり、可食部分は目減りする。
類似の手法に「ウェットエイジング」がある。こちらは真空包装した状態で寝かせる方法で、水分が保たれるため歩留まりに優れる反面、香りの奥行きは乾燥熟成ほどには及ばないと評価される。
近年は寿司や和食の領域でも魚介の熟成への関心が高まっており、乾燥熟成の原理を魚に取り入れる動きも見られる。ただし本技法はもともと食肉向けに確立されたものであり、魚への応用には独自の知見が必要とされる。


