Guji — Tilefish
【Reading】ぐじ
【English Name】Amadai (Tilefish)
グジとは、福井県·京都府においてアマダイ(甘鯛)を呼ぶ際に用いられる地方名だ。学術的な標準和名はアカアマダイで、スズキ目アマダイ科に属する白身魚である。その生息域は南日本から南シナ海周辺の海域へと広く分布する。
名称の由来については諸説あり、やわらかい身の質感を「ぐじぐじ」と表現した語が転じたという説、釣り上げた際に魚が立てる音声に由来するという説、頭部の形を指す「屈頭(くつとう)」が変化したという説など複数の起源が伝承されている。
歴史をたどると、若狭地方(福井県小浜市周辺)が長らく主要産地として名をはせ、山越えの荷車輸送によって京都の台所へと届けられてきた。1917年から1921年の期間に小浜線が開業し、それを境に輸送手段は鉄道へと切り替わった。
身質が繊細で鮮度低下が速いため、底延縄という漁法を用い一尾ずつ丁寧に取り上げる。水揚げ後は低温の海水で即座に締め、品質を守る下処理が欠かせない。調理法として鱗を付けたまま焼く「松笠焼き」が伝統的な手法であり、崩れやすい身を鱗が覆うことで保護する効果が生まれる。
ブランド品としては、重量500g以上かつ延縄漁獲を条件とした「若狭ぐじ」が知られる。2020年11月には800g以上·活〆·神経抜き処理を施したプレミアムグレード「若狭ぐじ極」が登場した。一方、京都府丹後地域では「丹後ぐじ」が2012年に京のブランド産品へ認証を受けた。


