Kori-shiki Reizouko — Ice-Cooled Refrigerator (Historical)
【Reading】こおりしきれいぞうこ
【English Name】Icebox
木製の二段構造を持つ保冷器具が氷式冷蔵庫だ。上部に氷を入れると、冷たい空気が自然に下へと降りていく原理によって、下部に置かれた食品を冷やすことができる。「冷蔵箱」「氷箱」「木製冷蔵庫」といった別名でも知られる器具だ。
外壁と内壁のあいだには木炭やフェルトが詰められ、断熱性を高める工夫が凝らされた。内壁面にはブリキなどの金属板が張り巡らされている。冷却に使う氷は氷屋から買い求める必要があり、家庭内で氷を自力でつくれる環境が整うのは、電気冷蔵庫が世に出回ってからのことだ。
日本でこの器具を実際に活用していたのは商家や飲食店が中心で、一般家庭への浸透はほとんど見られなかったとされる。電気冷蔵庫が家庭に広まり始めたのは昭和30年代(1955年頃〜)に入ってからのことで、それ以前の鮮魚保管には氷による冷蔵が欠かせない手段だった。
寿司との関連で注目すべきは、寿司店向けの木製冷蔵庫が今日においても製造·流通を続けているという事実だ。電気式が当たり前になった現代でも、伝統的な職道具として職人の世界に息づいている。


