Shiokara — Salted Fermented Seafood
【Reading】しおから
【English Name】Shiokara
塩辛とは、イカや魚などの身と内臓を非加熱のまま塩に漬け込み、素材に備わる消化酵素と共生微生物の力で熟成させた日本の発酵保存食である。熟成に伴いたんぱく質からアミノ酸への転換が進むため、奥深いうま味が生じる。高い塩分が腐敗を抑え、長期の保存を支えている。
文献上の最古例は、奈良·藤原京跡で出土した木簡(694〜710年頃)に見える「鮒醢(ふなびしお)」である。「塩辛」という語は平安末期の『今昔物語』に登場するが、今日の用法で広まったのは江戸中期以降とされる。沖縄方言では「〜ガラス(辛す)」と呼ぶ。
現代において塩辛の代表格はイカの塩辛だが、カツオの内臓から作る酒盗、鮎の内臓で仕込むうるか、鮭の腎臓を用いためふん、ナマコの腸で漬けるこのわたなど、地域色豊かな種類が各地に伝わっている。
イカの塩辛には大きく3種ある。皮をはがした白い身と肝で仕込む「白作り」、皮付きのまま肝と合わせ赤茶色になる「赤作り」、イカ墨を混ぜて黒く仕上げる「黒作り」(富山の名物)である。原料にはスルメイカが多い。昔ながらの製法だと塩分濃度8〜15%ほどで常温流通できたが、冷蔵技術の普及に伴い4〜8%の低塩タイプも広がっている。
寿司店や居酒屋では酒の肴として供されることが多く、大根おろしを添えるのが定番。白飯のお供や、鍋に少量しのばせてコクを足す使い方にも重宝される。


