Shosoin Monjo — Shosoin Documents (Oldest Sushi Reference)
【Reading】しょうそういんもんじょ
【English Name】Shosoin Documents
古代日本を解き明かすうえで第一級に位置づけられる史料群が、奈良·東大寺の正倉院に眠る正倉院文書だ。8世紀の東大寺写経所で書き残された帳簿類がその中核をなし、点数は1万数千に及ぶ。奈良期に書かれた古文書の大半がこの文書群へ集約され、古代社会の実像へ迫れる一次資料として比類ない価値をもつ。
この写経事業は藤原光明子が設けた私的組織を母体とし、天平8年(736年)に一切経書写の幕が開いた。天平12年(740年)5月1日付の願文を光明皇后が認めたことから、「五月一日経」の呼び名が広まった。帳簿が網羅する範囲は多岐にわたり、写経に従事した者たちの業務報告、布·銭で支給された賃金の記録、米穀·食糧の出入り、紙·墨の割り当てなど、組織運営の全貌を克明に浮かび上がらせる資料となった。
とりわけ見落とせないのが紙背文書だ。紙が高価だった当時、役割を終えた公的書類を裏返して帳簿へ充てる慣行が広く根づいていた。この転用の副産物として、戸籍·正税帳·計帳をはじめとする律令制の行政記録が偶然にも散逸を免れた。最古の戸籍として現存するのは大宝2年(702年)に編まれたものだ。
寿司文化の源流を探る観点から見れば、こうした奈良期の行政·生活記録のなかに食の流通構造や加工技術を裏付ける断片が潜む可能性は高く、発酵·保存に関わる技法の原像を復元する端緒として注目に値する資料群だ。


