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世界で愛されるサーモン寿司とは?

世界で人気の日本食、江戸前寿司。世界各国のスーパーやレストランの日本食コーナーでまっさきに目に入るのがサーモン寿司です。日本でも回転寿司を中心に大人気の寿司ネタですが、意外と知られていない面も多くあります。

いったいサーモン寿司とはどんな寿司なのでしょうか。
今回はおいしいけど少し複雑なサーモン寿司について解説するとともに、サーモン寿司の作り方やお店を紹介します。

サーモン寿司の誕生と歴史

サーモン寿司は、どのように生まれて普及したのでしょうか。まずはその誕生の経緯を見てみましょう。

サーモン寿司ってどんな寿司?

サーモン寿司は、たんぱく質とオメガ3脂肪酸を豊富に含むサーモンが寿司ネタとなりシャリと組み合わされた寿司ですが、他の食材との相性も良いため、玉ねぎやマヨネーズなどと組み合わせたりするなど、バリエーションが多いのも特徴。

特に回転寿司では、シンプルなサーモン寿司にとどまらず、オニオンサーモン寿司、サーモンマヨネーズ寿司など、さまざまなサーモン寿司のメニューを目にすることができます。

サーモン寿司誕生の経緯

実は江戸前寿司発祥当時は、サーモンは寿司ネタではありませんでした。
そう、実は現在一般的に知られているサーモン寿司は日本発祥の寿司ではないのです。

そもそも「サーモン」が誕生したのは1980年代後半で、「サーモン」という名前が定着したのは1990年代のことでした。それまで日本では鮭(サーモン)はアニキスなどの寄生虫がいることから生食は向かないとされていたため、江戸前寿司の寿司ネタとしては扱われていませんでした。

そんな中、寄生虫のいないサーモンの開発に成功したノルウェーが、1986年に自国産のサーモンを世界に普及させる海外市場開拓戦略の一環として「プロジェクトジャパン」を発足させ、日本に寿司ネタとしてのサーモンの売り込みに成功。そこから寿司ネタのサーモン寿司の本格的な歴史が始まります。

おいしいサーモン寿司は瞬く間に日本全国だけでなく世界中に広がり、日本においても最も人気がある寿司ネタの一つになりました。

サーモン寿司、なぜ回転寿司でメジャー?

サーモン寿司、なぜ回転寿司でメジャー?

回転寿司では定番のサーモン寿司ですが、カウンター形式の高級寿司屋などではあまり多く目にしません。その理由には先ほど述べたサーモン発祥の経緯が関係しています。

江戸前の寿司はその名の通り、江戸と呼ばれた東京生まれの寿司ですが、江戸湾では鮭は獲れず、鮭が獲れる地域から輸送するにしても、寄生虫などのリスクが高いため、日本産の鮭を生で食べる習慣はありませんでした。

こうした事情から、伝統的な江戸前寿司にはサーモン(鮭)という寿司ネタは基本的に存在しませんでした。しかし、伝統を大切にする寿司職人のなかには、こうした江戸前寿司の成り立ちを重んじて、高級店などでは今でも寿司ネタにサーモンをにしないことがあります。

しかし、同じく歴史の浅い回転寿司では、こうした事情は関係なく、美味しくてリーズナブルに提供できるサーモンは格好の寿司ネタとなったわけです。

鮭・サーモン・マス、その違いとは

鮭・サーモン・マス、その違いとは

見た目も味わいもよく似ているため、区別がつきにくいのが「鮭」「サーモン」「マス」です。実情としてはサケとマスの生物学的な違いはないと言われていますが、今回は一般的にはどのように区別されているのか、その違いを解説します。

日本における狭義の鮭は、硬骨魚綱サケ目サケ亜目サケ科サケ属に属する海水魚のシロザケのことを指していましたが、かつてはベニマス、ギンマスの名称があったベニザケ、ギンザケも、最近は鮭と呼ぶことが多くなってきています。

サーモン

そもそも鮭の英語名がサーモンなのでややこしいのですが、一般的にサーモンといえば、アトランティックサーモン、トラウトサーモンのことを指すことがほとんどです。

アトランティックサーモンは先述の通りノルウェーが中心となって盛んに世界各国に輸出されているサーモンのことで、ノルウェー・サーモンというブランドにもなっています。

トラウトサーモンは南米のチリやノルウェーなどが主産地で日本で多く流通しています。トラウトサーモンの「トラウト」はマスのことなので、直訳するとなんとマスサーモン!

それもそのはず、トラウト・サーモンは、本来は川に生息する淡水魚であるニジマス(レインボートラウト)を海で養殖したものなのです。ニジマスといっても海で育てたニジマスは従来のニジマスよりもかなり大きな個体になります。

マス

硬骨魚綱サケ目サケ科の魚類の中で、「マス」あるいは「~マス」と名前がついた魚を指しますが、市場では北太平洋産のカラフトマスを「マス」と呼び、日本産の「サクラマス」と区別していたこともありました。
辞書などではマスは主に「カラフトマス」と「サクラマス」を指すとされています。

実際にはマスと鮭の区別は難しく、たとえばキングサーモンも学術的にはマスノスケの名前があります。一見するとマスに属しているように感じますが、マスノスケの実態は最も大型の鮭に該当します。

鮭・サーモン・マスの違いまとめ

結局のところ、サーモンと鮭、マスの違いは、日本語と英語による違いなどが混ざっていることもあり、生物学的な分類はできないのが現実ですが、一般的な観点から強いて分けるとすれば、

鮭は、サケ科のサケ属に属する、ギンザケ、ベニザケ、ベニザケ。

サーモンは、サケ科のサケ属に属するニジマス(トラウトサーモン)、マスノスケ(キングサーモン)に、サケ科のタイヘイヨウサケ属のアトランティックサーモンを加えたもの。

マスは、カラフトマス(ピンクサーモン)と「サクラマス」というのが一般的な区分けになります。

さまざまなサーモン寿司

さまざまなサーモン寿司

国内外で絶大な人気を誇るサーモン寿司ですが、その理由のひとつはバリエーションが豊かなことです。サーモン寿司にはどのような種類があるのでしょうか。サーモンの種類と寿司のメニューについて解説します。

サーモン寿司に使われる魚の種類

回転寿司で目にするサーモン寿司は養殖されたアトランティックサーモンとトラウトサーモンが主流です。
またサクラマスは、富山県の郷土料理である鱒寿司に使用されています。

サーモン寿司の種類

回転寿司で目にするさまざまなサーモン寿司は、それぞれ味に特徴がありお客さんの舌を喜ばせています。
よく知られているサーモン寿司には、このようなものがあります。

トロサーモン

サーモンのなかでも脂が乗った部分を使った寿司。マグロのトロにも負けないまろやかさが魅力です。

炙りサーモン

生が苦手という人でも炙ってあれば生臭さも解消!マヨネーズとのコンビなどもあり、美味しく食べられます。炙ることで増す甘みも好ましいですね。

サーモンカルパッチョやサーモンオニオン

オニオンスライスやドレッシングと合わせて洋風に楽しむメニュー。アボカドを乗せたタイプもあります。

サーモンしゃぶしゃぶ

しゃぶしゃぶのようにさっと熱湯にくぐらせて食べやすくしたサーモンが乗ったお寿司です。ポン酢でさっぱりと食べることができます。

サーモン寿司の味と栄養

生の魚や寿司が苦手という外国人でも、サーモン寿司はOKというケースはよくみられます。
養殖がメインであるサーモンは生魚にありがちなにおいが少なく、ほどよい甘みと濃厚な味わいがあるため、生魚が苦手な人でも食べやすく、寿司初心者にも食べやすいのです。

また、サーモンは栄養価が高いことでも知られています。サーモンにはどんな栄養があるのでしょうか。サーモン100gに含まれる主な栄養と効果をみてみましょう。

サーモンに含まれる栄養(100g)

タンパク質(19.6g)

筋肉や臓器の重要な構成要素です。

ビタミンD(7.3μg)

さまざまな機能を正常に保つ効能があります。

ドコサヘキサエン酸(540mg)

一般的にDHAとして知られ、動脈硬化や血液凝固を防ぐとされています。

イコサペンタエン酸(360mg)

一般的にEPAの名で知られ、血液の凝固を防ぐ働きがあります。

おすすめのサーモン寿司レシピ3選

おすすめのサーモン寿司レシピ3選

ここからは、市販のサーモンを使って、家庭でも気軽にできるサーモン寿司のレシピを紹介します。アトランティックサーモンでもトラウトサーモンでもできますので、ぜひ試してみてくださいね。

手鞠寿司

自宅で作るサーモン寿司の中で、見た目もよく食べやすいのが手鞠寿司です。
一口サイズに握ったシャリの上に、カットしたサーモンを乗せるだけで完成。
クリームチーズや大葉、イクラなどをトッピングすればパーティー仕様に。

笹の葉寿司

サーモンは生臭さが少ないのが長所ですが、さらに香り高いお寿司を作りたい場合には笹の葉を使用してみましょう。
握った寿司を笹の葉でくるんでもよし、容器を使って押し寿司風にしても美味!
いずれも気軽にできて高級感漂うのが嬉しいところです。

サーモンのちらし寿司

サーモンの美しい色はちらしずしにぴったり。錦糸卵やアボカド、青じそやイクラを活用し、目も喜ぶ一品を作ってみてください。

オンラインで購入可能!美味しいサーモン寿司

自分でつくるのが面倒な場合は、プロの手によるおいしいサーモン寿司をオンラインで購入することもできます。
ここではおススメのサーモン寿司を3つ紹介します。

サーモン寿司(越前 萩) 

サーモンの厚みとトロトロ感が大評判の越前 萩のサーモン寿司。
福井県産のコシヒカリと貫禄たっぷりの厚めのサーモンが好相性で、リピーターが続出の名品です。

店名:生さば寿司 越前 萩
HP:https://item.rakuten.co.jp/namasabazushi/101/

炙りトロサーモンハラス お刺身・寿司ネタ用スライス(グルメの王様)

回転寿司でもお馴染みの炙りサーモンもオンラインで購入可能!
抜群の鮮度とほどよい炙り具合で、サーモンの甘みを心ゆくまで堪能できます。
お寿司や丼に、他の食材と合わせて召し上がれ!

店名:グルメの王様
HP:https://item.rakuten.co.jp/gourmet-ousama/aburi-salmon/

岩塩炙りキングサーモン箱寿司(仕出し米長)

厚く切ったキングサーモンで酢飯をサンドイッチにするというダイナミックぶりで人気の箱寿司がこちらです。
常識を破るサーモンの量がゴージャスで、人寄せの席にも活躍する逸品。

店名:仕出し米長
HP:https://item.rakuten.co.jp/yonechou/h-kingsalmon-aaaaa/?s-id=review_PC_il_item_01

参考資料

文部科学省「食品成分データベース(魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/たいせいようさけ/養殖/皮なし/生)」

小学館日本大百科全書「サケ」

小学館日本大百科全書「マス」

小学館日本国語大辞典「サーモン」

The Norwegian campaign behind Japan's love of salmon sushi | The Japan Times

サーモンが回転寿司以外であまり見かけない理由って?知ってるようで意外と知らない!? | クックビズ総研 (cookbiz.jp)

サーモン寿司 | 寿司ウォーカー (sushiwalker.com)