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寿司のおいしい都道府県〜寿司の聖地・北海道特集

日本の約1/5の面積を占める広大な北海道は、豊かな自然と海の幸の宝庫。
この類まれな環境の恩恵を受け、北海道は最高の寿司を味わえる都道府県の一つとして知られています。
北海道の漁獲量は日本全体の実に1/4にも及び、こうした北海道の新鮮な海鮮は多くの寿司好きを北海道へと誘います。

最近ではコロナも明けて多くの外国人が日本に訪れていますが、そんな訪日外国人たちにとって「東京」「京都」「大阪」と並ぶくらい有名な場所が「北海道」です。
外国人にとっては「北海道といえば寿司」という印象が強く、海外では「北海道」という冠をつけた日本食レストランを多く見かけるほど、そのブランドイメージは確立されています。

今回は、そんな国内外で寿司の聖地として知られる北海道の寿司や海鮮の魅力に迫り、そのおいしさの秘密に迫っていきます。
寿司好きのみなさん、一緒に魅力あふれる北海道の寿司の旅に出かけましょう!

北海道の寿司や魚介がおいしい理由

北海道の寿司や魚介がおいしい理由

寿司や海鮮がおいしい都道府県としてイメージが強い北海道ですが、北海道の寿司がおいしいのにはしっかりとした理由があります。
ここでは、その具体的な理由を見ていきましょう。

北海道の極寒な環境は良質な魚介類を育てる

日本の最北端に位置する北海道の海は非常に寒冷です。
荒波も多い海の環境下に生息する魚は自然と身が引き締まり、冬の寒さや産卵に備えて多くの脂肪を蓄えるため、脂がのった美味しい魚が育ちます。

さらにオホーツク海にやってくる流氷を運ぶ海流は豊かな栄養分も一緒に運びます。
厚い氷の下にある海の中では、海流の運んだ栄養分によってプランクトンが爆発的に増殖し、それを食べる流氷の下の魚介類たちは栄養がたっぷりでおいしく育つのです。

豊富で入り組んだ海流は絶好の漁業エリア

北海道は日本海、太平洋、オホーツク海と3つの海に囲まれており、非常に多くの海流があります。
海流は豊富な栄養分を運ぶため、海の生き物たちにとっては暮らしやすい環境となるのです。

特に海流が交差する地域は様々な魚介類が生息し、絶好の漁業スポットになります。
その種類の多さは圧倒的であり、寿司ネタとして利用される多くの魚介が北海道で育まれています。

海流の中でも特に重要な海流が多く存在

日本には4つの重要な海流があります。
太平洋側にある親潮(千島海流)と黒潮(日本海流)、日本海側にあるリマン海流と対馬海流です。

特に、栄養分が豊富で魚を育てる親のような潮ということから「親潮」と名付けられたといわれる千島海流の存在は重要で、実際に年間5万トン以上の漁獲高の漁港は、この親潮が通る沿岸部に集中しています。

北海道はまさにこの「親潮」の通る地域、おいしい海の幸が豊富なのも納得がいきます。
さらに「親潮」だけでなく、魚類が多く生息するといわれる暖流も多く流れ込んでいるため、実に様々な種類の魚介類が生息しているのです。

北海道の寿司の特徴

北海道の寿司の特徴

蝦夷前寿司と呼ばれる鮮度の高い生寿司

東京の「江戸前寿司」に対して、北海道の寿司は「蝦夷前寿司」と呼ばれることがあります。

江戸前寿司が酢や塩で〆たりと仕事を施すのが基本なのに対し、蝦夷前寿司は、獲れたての鮮魚を即座に生で握るのが基本の「生寿司」です。

特に、漁業の町にある寿司店では「生寿司」が非常に人気です。
地元の漁港で水揚げされたばかりの魚介や旬の選りすぐりを瞬時に切り分け、酢飯と共に握る寿司はまさに絶品。

この鮮度自慢の蝦夷前寿司が提供できるのは、もちろん北海道の豊かな海の恵みがあるからこそ。
豊かな海が育む魚介を新鮮な状態で届けるのが北海道の寿司なのです。

レベルの高い寿司屋と回転寿司

北海道の寿司屋は、北海道にはない寿司ネタは他の地域から取り寄せますが、基本的には地元の魚介を使うことによって美味しさを最大限に引き出しているのが特徴。
北海道の寿司屋はレベルが高いと評価されるのは鮮度の高さが理由なのです。

また、北海道の回転寿司チェーンはクオリティの高さに定評があります。
鮮度が高いのはもちろん、寿司ネタが分厚く大きいのが人気の要因です。

有名なところでは、北海道を中心にチェーン展開する「根室花まる」や「なごやか亭」「回転寿し トリトン」などが、新鮮な食材を活かした回転寿司チェーンとしてよく知られています。

新鮮な魚介が集う北海道の市場

新鮮な魚介が集う北海道の市場

北海道は日本三大漁港の一つの釧路港がある釧路をはじめ、札幌、小樽、函館、襟裳、礼文島、羅臼、枝幸など、多くの漁業が盛んなエリアがあり、それぞれの地域の市場ではおいしい海の幸を楽しむことができます。
ここでは代表的な市場を紹介しますので、近くに寄った際にはぜひ立ち寄ってみたいくださいね。

札幌・小樽

全北海道からいろいろな物が集まって来るエリアが札幌で、回転寿司から高級寿司まで寿司屋の数が圧倒的に多いの地域です。
100年以上の歴史のさっぽろ二条市場は市民の台所としても知られ、常連客から観光客まで幅広い客層が訪れます。
札幌には他にも共栄市場や札幌中央卸売市場と場外市場がありますが、どれも大勢の客で賑わっています。


札幌二条市場

札幌二条市場

小樽は札幌の隣であるため、札幌に行った際にはぜひ一緒に訪れてみたいところ。
小樽では近海で獲れた地魚を使った寿司屋が多く、小樽駅から徒歩でいける小樽三角市場でさまざま地魚を楽しむことができます。

小樽三角市場
小樽三角市場

函館

北海道の定番観光スポットの1つが函館です。
JR函館駅からすぐのところに250軒ものお店が集まる巨大な市場の「函館朝市」があります。
ここでは魚介類はもちろん、日用品なども店も多くあり、イカ釣りができるなど観光スポットとして充実しています。

函館朝市
函館朝市

釧路

日本三大漁港の一つがある釧路には札幌二条市場、函館朝市と並んで「北海道三大市場」と呼ばれる「釧路和商市場」があります。
港町で圧倒的に有名な市場だけあって品揃えは圧巻。
名物として知られる、市場内でご飯を買って店で食べたい魚介類をトッピングする「勝手丼」はぜひ試したいところです。

勝手丼にのせる魚介類
勝手丼にのせる魚介類

北海道はまさに寿司ネタの宝庫

海が育む恵み豊かな北海道には多くの魚介がとれますが、ここではその代表的な例を見てみましょう。

ウニ

北海道のウニは主にエゾバフンウニとキタムラサキウニです。北海道のウニの特徴は、ミョウバンを使った箱ウニが一般的な本州とは異なり、塩水に入れて保存するのが主流なことです。そのため、苦味が少なく濃厚な甘味を味わえ、特に6月から9月中旬までの漁解禁期間は、最高のウニを楽しむチャンスです。

イクラ

北海道の鮭の漁獲量は日本全体の約90%で、イクラの生産量もトップです。
プチプチと弾ける食感と口の中に広がる味わいが大人にも子供にも人気のイクラですが、北海道では新鮮なイクラの寿司やイクラ丼をいたるところで食べることができます。

ホタテ

北海道はホタテの水揚げ量でも日本一を誇ります。特に潮が入り組んだ湾は栄養豊富なプランクトンが流れ込む絶好のホタテ養殖地で、国産のホタテ貝のほとんどが北海道産です。

エビ

北海道ではボタンエビをはじめ、⽢海⽼として知られるホッコクアカエビや、ボタンエビの近縁のトヤマエビ、北海シマエビなど、寿司ネタとなるエビが多く獲れ、回転寿司でも絶品の生エビを食べることができます

カニ

北海道は年間を通してカニの獲れるカニ王国として知られています。
特にオホーツク海で育まれる毛ガニは栄養豊富で、まさにオホーツク海の宝石。タラバガニやズワイガニも目が離せません。

これらの魚介に加えて、クロマグロ、サケ・マス類、タコ、ヒラメ・カレイ、ホッケ、サンマ、ホッキ貝などの貝類、昆布など、実に多くの代表的な寿司ネタとなる魚介類が多く獲れ、北海道はまさに寿司ネタの宝庫と呼ぶのにふさわしいといえます。

北海道はまさに寿司の聖地!

いかがでしたか?北海道は多くのおいしい魚介類が獲れる自然環境があり、札幌、函館、釧路だけででなく、北海道全域にわたって漁業が盛んで、まさに「寿司の聖地」と呼ぶにふさわしい都道府県でした。

ウニ・イクラやホタテ、本マグロにボタエンエビ、名前をあげるだけ涎が出てしまいそうです。
北海道を訪れた際にはぜひその美味しさに触れてみてください。
寿司の聖地・北海道は寿司好きの皆さんの期待にきっとこたえてくれるでしょう。

参考資料