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トロたく寿司とは?魅力やお店、レシピをご紹介

トロたく寿司

巻き寿司には鉄火巻きやかっぱ巻きなどいろんな寿司がありますが、「トロたく」と呼ばれる寿司があるのをご存じですか?
名前は知っていても「トロと沢庵を巻いた寿司」といった漠然としたイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実はこの「トロたく」、大人にピッタリの寿司なんです。
今回は知る人ぞ知る大人寿司「トロたく」の魅力と作り方、オススメのお店をご紹介します。

トロたく寿司とは?

「トロたく」とはその名の通り、まぐろのトロと刻んだ沢庵を海苔で一緒に巻いた寿司のこと。それを略して「トロたく」と呼んでいます。

巻き寿司に使用するトロは店によって異なり、大トロだったり、中トロだったりします。
ほどよい塩加減の沢庵がマグロの旨みを引き立ててくれて、香り豊かな海苔と一緒に食べると何とも言えない独特な味わいがあります。

トロと沢庵は一見アンバランスな組み合わせのように思われますが、実はとても相性がよく、どこか懐かしさを感じさせる味で、歌舞伎役者の市川海老蔵さんもトロたくが大のお気に入り。自身のブログでその愛着ぶりを何度も披露しています。

また、トロたくは巻き寿司のネタとしてだけでなく、お酒のつまみとしても楽しめます。漬物類はもともとお酒との相性が好く、そこへトロの滲み出るような旨みが加わることで絶妙な味に仕上がるのです。アレンジとして、おろしにんにくや韓国海苔を入れたりすると、また異なる味わいを楽しむことができます。

トロたくの発祥は?

トロたくの発祥は?

はじめてトロたくの寿司が登場したのは昭和40年代後半といわれています。
全国にトロたくの発祥と言われている店がいくつかありますが、その中でも有名なのが、新潟県の寿司屋「大寿司」です。

店主によれば昭和47年、東京での修行を終え、実家の寿司屋で目玉商品を作ろうとして生み出されたのが「トロたく巻」だったそうです。はじめてトロたくを作ってから2年後に雑誌やテレビの取材が来て、「大寿司の看板商品」として紹介され、さらに都会から来たお客が贔屓の店に作って貰って次第にトロたくの存在が広まっていったのだそうです。

その他に西麻布の「鮨ふるかわ」がトロたくの握り寿司発祥の店と言われています。根拠となる雑誌などはありませんが、「鮨ふるかわ」の店主自身、お店のホームページで今から30年前、六本木の店で店長を務めていた時代にトロたくを発案したと綴っています。トロの脂が苦手な人でも美味しく食べられるよう、沢庵と合わせて巻物にしたのが始まりだそうです。

いずれにしても、2つの店それぞれに数十年前から伝わる違った味わいのトロたくがあります。それぞれの店でどんなトロたくを出しているのか、近くに寄った際に立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。

新潟県「新潟前すし処 大寿司」

昭和25年創業の「新潟前すし処 大寿司」は、昭和47年に創刊された近代食堂の別冊「すしの雑誌」にも、トロたく寿司を提供するお寿司さんとして紹介されるなど、トロたく寿司発祥のお店の一つとして有名なお寿司屋さんです。

海の前という新潟の地の理を生かして、寿司ネタは日本海から獲れた新鮮な魚介や魚沼産コシヒカリを使うなど、寿司へのこだわりは強く、トロたく以外にもユニークなネタの寿司や季節の一品料理もたくさんあるおススメのお寿司屋さんです。

新潟前すし処 大寿司

東京・西麻布「鮨ふるかわ」

トロタクの握り寿司発祥のお店として知られているお寿司屋さんです。35年以上前に考案されたというトロタクの握り寿司はファンが多く、それを目当てに足を運ぶお客さんも多くいます。

店主が六本木店で店長をしていた時に始めたトロたくは、大トロを叩き、おはぎのようにして握ります。沢庵の塩加減で大トロの脂っぽさがとれ、素朴ながらも絶妙な味わいを醸し出します。閑静な住宅街にある隠れ家的で上品な佇まいはデートにもオススメなお寿司屋さんです。

鮨ふるかわ

トロたく寿司の作り方

トロたく寿司の作り方

寿司屋で食べるのも美味しいですが、実はトロたく寿司は家庭でも簡単に作れるんです。
ちょっといつもと違った食事をしたい時や家で飲む際のつまみとして作ってみるのもいいですね。
トロのピンク色と沢庵の黄色が可愛い組み合わせはホームパーティーにもピッタリです。

材料(1本分)

 1.すし飯 20g
 2.まぐろの大トロまたは中トロ(サク)30g
 3.沢庵5g
 4.海苔(半枚)
 5.巻き簾(まきす)

作り方

 1.まぐろの大トロを叩きにする
 2.沢庵を千切りに刻む
 3.巻き簾の上に海苔を置き、海苔の上にすし飯を均等に広げる
 4.海苔の下半分に、細切りにした沢庵と大トロを置く
 5.酢飯の下の部分を上の酢飯につけるような感じで巻く

ワンポイント・アドバイス

細巻きにすると巻きづらくなるので、少し太めくらいの中巻きにするのがポイント。
海苔は湿気を含んでいると切りにくくなるので、巻いた後はすこし時間を置き乾燥させてから切ると綺麗に切れます、また、巻物を切るごとに包丁を濡れた布巾などで拭くとさらに綺麗に切ることが出来ます。

番外編・トロたく丼の作り方

巻き簾を使ったり、すし飯を敷いて巻いたりするのが面倒だなって思う人には、トロたく丼がおススメです。作り方は巻き寿司よりもっと簡単。ご飯もすし飯ではなく、普通の白米でOK。
手軽に挑戦できますので、一度は試してみる価値ありです!

材料(4人分)

  1. マグロの大トロまたは中トロ180g
  2. 沢庵5㎝程度
  3. 青じそ6枚
  4. ご飯4膳
  5. 焼きのり
  6. おろし山葵 
  7. 白煎り胡麻・醤油

作り方

 1.マグロを2㎝角に切る
 2.沢庵を5mm程に刻む
 3.青じそをみじん切りにする
 4.トロと沢庵をボウルに入れ混ぜる
 5.炊きあがったご飯を丼に盛り、混ぜたトロ沢庵をのせ、青じそを振る
 6.焼きのり、おろし山葵、白煎り胡麻、醤油をかけて出来上がり

醤油の代わりに昆布醤油を使ってみるとまた違った楽しみ方が出来ます。
トロたく丼をさらにアレンジさせて、納豆と卵の黄身を加えて「トロたく爆弾丼」にすることもできます。これにオクラを加えてネバネバ感をアップさせたり、自分流のトロたく丼を作ってみるのもオススメです。

まとめ

いかがでしたか。今回は、大人にはぴったりな寿司「トロたく」寿司について紹介しました。
巻き寿司として食べるのもよし、お酒の肴にするのもよしと万能なトロたく。

作り方もいたってシンプルで簡単でしたね。晩御飯の際に「あともう一品欲しいな・・・」という時などに作ってみると良いかもしれません。たくさんの魅力が詰まったトロたくを、ぜひ味わってみてくださいね。