ままかり
【Reading】ままかり
【English Name】Mamakari (Japanese Scaled Sardine)
ままかりとは、瀬戸内地方・岡山県を起源とする郷土料理で、ニシン科サッパ属の小魚「サッパ」を酢に漬けて仕上げる伝統食だ。料理名として定着した「ままかり」という呼称は、今日ではサッパ自体の別名としても地域に浸透している。
仕込みの基本工程は、うろこを除いたサッパの内臓を取り除いた後に塩をまぶし、新ショウガ・トウガラシ・昆布とともに合わせ酢へ投じるという流れをたどる。古くからの製法では、最初の夜は酢だけで魚を締め、翌朝に甕へ移して砂糖入りの合わせ酢を注ぎ足し、もう一晩置いて味をなじませる。仕上がりの形は、小ぶりなものは頭付き、大型のものは頭を取り除いた状態が習わしとなっている。
食べ方は酢漬けだけにとどまらず、焼いてから漬ける焼き漬け・ぬか漬け・姿鮓・南蛮漬けなど、多彩な調理法が地域に根づいている。
名称の由来については、ひとつの言い伝えが広く知られている。あまりにも美味で、隣家へ飯(まま)を融通してもらってでも食べ続けたという逸話がその出どころだ。明治2年(1869年)の記録物『航微日記』にも、漁師が隣船の者に飯を分けてもらうほどの旨さだったという伝承が書き留められている。
文献における初出は文化14年(1817年)の史料『岩藤林弥茶』とされており、引き肴の品目として「ままかり酢漬け」という名称が確認できる。


